サイボウズ式:複業は全然特別じゃない、勝手に世間から「すごいものだ」と思われているだけ──サイボウズの若手社員が複業について思うこと

複業が禁止されている会社で悩んでいる人はどうするべき?
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「副業」と「複業」──。本業のかたわら、サブ的に別の仕事をする「副業」と違って、「複業」とは、本業としての仕事を複数持つことを意味します。

そんな「複業」を実践するサイボウズ若手社員4名の座談会。複業のリアルを話しあった前編に引き続き、後編では、複業に対する世間のイメージとそのギャップについて語ってもらいました。

複業って、実はそんなに特別なことじゃないのかも......?

複業は自己実現のため。社内の枠を越えた「社会出世」を考える若手は多い?

安藤:「副業」はお金を稼ぐためにするイメージが強いですが、僕の今の働き方はそうじゃないなって思います。

カレー屋の仕事は、サイボウズの社員であることとはまったくの別軸で全力投球していて。

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DAISUKE:「複業」には、稼ぐこと以外の意義がありますよね。

僕もYouTubeチャンネルを開設した当初は無給に近い状態でしたが、代わりにWebマーケティングの知識が身についたり、応援してくれる視聴者の方が増えていったりすることに大きな意義を感じていました。

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熱田:私も、共感できるビジョンを持った組織の活動には、収入に関係なく取り組む派です。

でも、好きで携わっているうちにお金をもらえるようになることってありますよね。DAISUKEさんのように最初は無給状態でも、自分なりの価値さえ提供していれば後からお金はついてくると思います。

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熱田 優香(あつた・ゆか)。2016年新卒入社。パートナー営業(代理店営業)で営業を1年間経験したのち、ビジネスマーケティング本部へ異動。現在はワークスタイルプロモーションを担当している。理想は、「誰もが自分らしく自由に生きられる世の中をつくること」

深澤:熱意があるからこそ、お金をもらうに値する価値を提供できるってことですよね 。

DAISUKE:深澤さんは収入を増やすために複業をはじめたと言ってましたけど、今はどうなんでしょう?

深澤:今、サイボウズとお付き合いのある企業さんで複業しているのは、お金が目的じゃなくて、純粋に「おもしろそう」だと思ったからですね。

社員としてだけではなく、違った立場からもサイボウズに関わってみたいなって。

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深澤 修一郎(ふかさわ・しゅういちろう)。2012年新卒入社。パートナー営業(代理店営業)部で、現在サイボウズで一番大きな代理店を担当。その傍ら、サイボウズとお付き合いのあるパートナー企業にも勤務し、週1回常駐している。

安藤:会社員としての仕事と複業、どっちにアクセルを踏むかは、その時々で判断を変えてもいいと思っています。どちらが「主」でどちらが「副」というわけじゃない。

熱田:今の若い世代って、「会社内での出世」というよりも、もっと大きい「社会の中での出世」に目を向けている人が増えてきている気がします。

DAISUKE:「社内出世よりも社会出世」! たしかに、その表現はしっくりきますね。

「風土と制度」があればひとまずOK? 複業のために会社側に担保してほしいこと

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深澤:「社内での出世」だけをその人の評価にしないためには、会社の風土って大事ですよね。

熱田:それでいうと、世代間で「出世」の概念が違うなと感じることもあります。「社内出世」を重視する方も、一定数いらっしゃるのは事実。

「社会出世」の概念が会社全体に風土としてなじんでいれば、複業はよりやりやすいはずです。

DAISUKE:あとは、仕事をする上で、会社員としてコミットする「バッファ」を考慮してもらえたらいいなって思います。

安藤:バッファ?

DAISUKE:たとえば、先週は120%頑張ったから、今週は80%でコミットしよう、といったような感じです。

そこを自分でコントロールできるようになるだけで、複業のしやすさは格段に上がると思っていて。

深澤:それはすごくわかります。トータルで100%になっていればよくて、その分配を自分で決められるような仕組みが会社にあるといいですよね。

DAISUKE:平日にどうしても複業の方をやりたいときってあるんですよね。「この大会だけは、現地取材してすぐにYouTubeにアップしたい!」とか......(笑)。

逆に、「今週は本業が忙しいからYoutuberの活動はしない」というときもあります。

熱田:たしかに。普通に考えると、そういうときって有給を使うことになるけれど、平日の複業も許容してもらえる制度があると、もっと働きやすくなりそうですね。

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安藤:結局は、会社の「風土と制度」によって、複業のしやすさは左右されますよね。

「複業しなきゃまずいかも」って何?やりたい人だけが自由にすればいい

DAISUKE:なんとなく、20代くらいの若い世代で「複業」をしている人が増えてきた気がしませんか? 今集まっている4人もそうですし。

安藤:たしかに、最近「こんな複業やってます!」って公言する人が増えた気がします。

熱田:世の中で「複業」が話題になるにつれ、「複業してないのってまずいのかな?」みたいな意見がでてきているとも聞いたことがあります。

安藤:なんか、複業を「やらなきゃいけない」と思う心理って何なんでしょう?(笑)

深澤:うーん。それってすごく、日本人的な同調圧力ですよね。

熱田:複業すること自体が目的ではないし、「あの人は、やりたいことがいくつもあるから複業をやってるんだ」くらいの受け止め方でいいんじゃないかと思います。

DAISUKE:うんうん。実際、会社の仕事が楽しくて仕方ないっていう同年代もいますし。それで全然いいと思います。

安藤:会社員としての自分にはできない「やりたいこと」ができるのが、複業の醍醐味。逆に、やりたいことがないんだったら、無理する必要なんてないですよね。

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複業が禁止されている会社で悩んでいる人はどうするべき?

熱田:反対に、複業でどうしてもやりたいことがあるのに会社で禁止されているなら、「この会社ではやりたいことができないから辞めます」って正直に伝えるのもひとつの選択肢だと思います。

深澤:それを言われたら、経営層の人はきっと焦りますよね。

安藤:むしろ、複業が認められる世の中になっていく過程で、社員の可能性を狭めてしまうような会社は淘汰されてくべきだと思います。

深澤:強気(笑)。でも、ほんとそうですね。

熱田:もし仮に私が副業禁止の会社に勤めていたとしたら、まず会社の規定を調べると思います。

会社以外の仕事でお金をもらうのがNGなら、さっき話したみたいに、無給で自己実現する方法もありますしね。

まずは、何が大丈夫で何が禁止されているのか、ちゃんと疑問に感じたことを上司に確認し、コミュニケーションすることが大切なのではないでしょうか。

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複業は目的でも特別なことでもない。実はシンプルな「好き」が根底にある

熱田:そう考えると、複業って特別なことでは全然ないですよね。

安藤:はい。僕の田舎のおじいちゃんとか、ごく自然に複業しています(笑)。畑仕事もするけど、趣味の狩りでしとめた獲物を近所で売ってもいますし。

深澤:なんか、複業という言葉がひとり歩きして、勝手に世間から「すごいものだ」という風に思われているだけな気もします。

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DAISUKE:複業の実態ってすごくシンプルで、根底ではみんな「好きだからやってる」っていう、それだけな気がします。

熱田:「好きなこと」や「心からやりたい」と思うことで自己実現をしながら、楽しく生きていきたいですよね。

執筆・山越栞/撮影・橋本直己/企画編集・明石悠佳

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」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。本記事は、2018年3月5日のサイボウズ式掲載記事
より転載しました。