日本大学のアメリカンフットボール部の選手による危険なタックルをめぐって、関東学生アメリカンフットボール連盟は5月29日夜の会見で、内田正人前監督と井上奨前コーチを永久追放に相当する「除名」とする処分を決めた。
連盟は約20人へのヒアリングの結果、危険タックルをした選手が記者会見で発言した内容を全面的に認めた。「私の指示ではない」などと関与を否定した内田前監督と井上前コーチの主張は否定された。
連盟の柿澤優二理事長は同日の会見で、高校生からアメフト選手になる夢を諦める声があったことなどを例に挙げ、今回の事件がアメフト界に与えた影響は「本当に計り知れない」と悔しさを露わにした。
また、今回の危険タックルについて「あれはフットボールではありません」と厳しく批判した。
この発言部分の記者団とのやり取りは以下の通り。
■「あれはフットボールではありません」
---今回のプレーがアメフト界に与えた影響と、今回の反則行為が単なる反則なのか、反則を超えた犯罪行為に近いものなのか。どういう認識ですか?
柿澤優二理事長:当連盟や関係する各校に「非常に危険なスポーツなんじゃないのか?」とか「ああいうことが日常茶飯事で行われるようなスポーツと呼べないようなひどい競技なんですか?」といった問い合わせやクレームをすでに受けております。
「うちの子にやらせたいと思っていたんだけど、こんな危険きわまりないスポーツをやらせるわけにいかない」という声や、高校生から「大学に行って(アメフトを)やろうと思っていたんだけど、やめようかな」と夢まで捨て去ってしまったほどの影響。これはもう本当に計り知れないものであります。
そうじゃないんです!(身体接触が多い)コンタクトスポーツでありますから、厳しい面はあるかもしれませんが、フェアプレイの精神とルール遵守によって非常に楽しい興味あるスポーツになり得るんだってことを、皆さまにアピールしていく必要があるかと思います。
(今回の)プレー自体につきましては、これはもうフットボールを経験した者にとっては、あれはフットボールではありません。フットボールのタックルではありません。これはフットボールを経験した者なら誰もがそう認めると、私らは信じてます。