北朝鮮の金正恩政権を、USBメモリーが中から変えるかもしれない。

もし国際的な密輸活動に正義の名の下で参加したいと思ったことがあるなら、まさにチャンスだ。
Open Image Modal
In this Oct. 10, 2015, file photo, North Korean leader Kim Jong Un waves at a parade in Pyongyang, North Korea. Itâs a single image released by an enormous propaganda apparatus, showing a note handwritten by a dictator. And it contains a telling clue to the mindset behind what has become the biggest story in Asia: North Koreaâs surprise and disputed claim to have tested its first hydrogen bomb. The Dec. 15, 2015, note from leader Kim Jong Un calls for a New Year marked by the âstunning sound of the explosion of our countryâs first hydrogen bomb.â (AP Photo/Wong Maye-E, File)
ASSOCIATED PRESS

アメリカの人権団体が、使わなくなったUSBメモリーの寄付を募集している。欧米や韓国の映画・テレビ番組を詰め込んで、北朝鮮に持ち込むためだ。

Flash Drives for Freedom(自由のためのフラッシュドライブ)」と名付けられたこの企画は「人権基金」と「フォーラム280」という2つの団体によるもので、狙いは、平壌の国営放送を通さずに北朝鮮の人に外の世界を見せることだ。

プロジェクトのウェブサイトにはこう記載されている。「世界で最も閉鎖的な社会で、フラッシュドライブは貴重な教育と発見の道具です。インターネットの無い北朝鮮では、全面的な政府の検閲の下で独立したメディアも無く、北朝鮮の人々はこの小さなプラスチックに頼っているのです。映画や本、解説が詰め込まれたメモリーは外の世界への『窓』となります」

ワイアード誌は、北朝鮮でコンピュータを持っている人はほとんどいないが、USBのファイルを読み込めるビデオプレイヤーやスマートフォンを持っている人は多いと報じた。

「USBメモリーは北朝鮮で利用可能なテクノロジーで、人々の情報伝達に使われています」。人権基金の最高戦略責任者アレックス・グラッドスタイン氏はワイアード誌にそう語った。「1つのUSBメモリーが誰かの人生を、文字通り変える潜在能力を持っているのです」

またプロジェクトのウェブサイトの記載によれば、フラッシュドライブの中身は「韓国のドラマからハリウッド映画、朝鮮語版ウィキペディア、脱北者のインタビュー映像まで多岐に渡る」という。

BBCによれば、USBメモリーには他にも、アーノルド・シュワルツェネッガーやレオナルド・ディカプリオ、シルヴェスター・スタローン主演の映画や「ハンガー・ゲーム」(映画)、テレビ番組の「デスパレートな妻たち 」「スパルタカス」も含まれる予定だという。

グラッドスタイン氏といえば2015年にも、風船に「ザ・インタビュー」のコピー約10,000本をくくりつけ、北朝鮮にばらまく計画を指揮したことで知られている。「ザ・インタビュー」は、インタビュアーが金正恩を暗殺するという内容が波紋を呼んだコメディー映画だ。北朝鮮はこの映画の公開に激怒し、アメリカ政府と舌戦を繰り広げながら2014年には配給元のソニー・ピクチャーズにハッキング攻撃をしかけた。

ワイアード誌によると、毎年約3,000個から5,000個のUSBメモリーが、「北朝鮮戦略センター」や「北朝鮮知識人連帯」、「自由北韓運動連合」といった組織によって北朝鮮に密かに持ち込まれる。国境警備の役人に賄賂を贈る方法が多いという。今回、公募で集められたUSBメモリーによって、人権基金とフォーラム280は毎月最大2,000個のUSBメモリーを北朝鮮内に持ち込むことを目標にしているという。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

▼画像クリックで開きます▼

【関連記事】
Open Image Modal