東日本大震災で津波被害を受け、福島第一原発事故の避難区域に指定された福島県大熊町で、行方不明の最後の1人となっていた当時小学1年生の木村汐凪(ゆうな)さん(7)の遺骨の一部が見つかった。NHKニュースなどが報じた。
木村紀夫さんは自宅があった場所の裏手に、汐凪さんのための小さな地蔵を建てた(2016年2月撮影)
父親の木村紀夫さんによる捜索活動を報告していたFacebookページ「team汐笑」によると、木村さん一家は津波で大熊町の自宅を流され、紀夫さんは次女汐凪さんと妻、父を津波で亡くした。
震災後、紀夫さんは長女と長野県白馬村に避難している。一方で原発事故による避難指示で汐凪さんらを満足に探すことができなかったことを悔やみ、避難後も一時帰宅などの機会を利用して、海沿いでボランティアらとともに自ら捜索活動に取り組んでいた。
紀夫さんはFacebookページで11月に行われた環境省や建設作業員らによる捜索で瓦礫の中から汐凪さんのランドセルが発見されたと報告。さらに、12月10日〜13日の捜索で、汐凪さんが津波のあった当日に身につけていたマフラーや上着などが見つかったとして、「少しずつ汐凪に近づいている気がします」と綴っていた。
NHKニュースは、紀夫さんの話として、汐凪さんの首やあごの骨の一部が見つかり、DNA鑑定で本人の遺骨と確認されたことが、12月22日に警察から伝えられたと報じている。また、NHKの取材に対して紀夫さんは「汐凪をずっと探し続けてきたので、見つかったことは、ほっとしています。一方で、原発事故のせいでなかなか捜索ができず、発見が遅れ強い怒りを感じています」と語っている。
汐凪さんの遺骨の発見により、福島県内では行方不明者が1人減り、残る行方不明者は196人となる。
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