野々村竜太郎氏、切手の領収書はなぜ「2万円台」が多いのか

200回近い日帰り出張などの名目で、2013年度に約301万円を領収書なしで受け取っていた兵庫県議の野々村竜太郎氏は、計約176万2千円の切手代も請求していた。一体何に使ったのか。そもそも買ったのは本当に切手だったのか。
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時事通信社

200回近い日帰り出張などの名目で、2013年度に約301万円を領収書なしで受け取っていた兵庫県議の野々村竜太郎氏は、計約176万円の切手代も請求していた。一体何に使ったのか。そもそも買ったのは本当に切手だったのか。

■3万円以上の領収書には但し書き明記

野々村氏は2014年2月に計約40万円、同年1月にも計約22万円分の切手を購入したとして、政務活動費の交付を受けている。

2013年度に野々村氏が切手代として請求した領収書は135件あるが、郵便局で切手を買ったことが明確にわかるのは3件、計160円分のみ。残り132件はいずれも神戸や大阪のチケットショップでの購入で、但し書き欄があるものはすべて空欄になっている。

眺めていて不思議なのは、2万円台の領収書が54件あることだ。うち46件は2万9千円台で、「2万9990円」(2月18日、神戸市内)といった、3万円に限りなく近いものもある。

日付が判別できる限り、同じ日に複数の店で購入したことも15回ある。うち10回は2万9800円と230円(4月8日)、2万9950円と170円(8月17日)など、2万円台の領収書と同じ日に、わざわざ別の店でも購入している。

領収書の額面を3万円未満に抑えるためなのだろうか。なぜこうする必要があったのだろうか。

考えられるのは、但し書き欄の空白にこだわった可能性だ。

今年3月31日まで、3万円以上の高額な領収書には収入印紙を貼ることが義務づけられていた。

野々村氏がよく利用していたとみられる神戸市内のチケットショップの担当者は、ハフィントンポストの取材に「あくまで一般論」とことわったうえで、「お客様がご希望なら、但し書き欄を空欄にして領収書をお出しすることもありえますが、印紙を貼る高額な領収書ではありえない。ちゃんと但し書きを書かせて頂いています」と話す。

■現金化「容易に想像出来る」

176万円は、80円(値上げ前)の封書なら約2万2千通に相当する。切手なら活動報告の送付などの可能性もあるが、元兵庫県議の井戸正枝・前衆院議員は、大量に送る場合はまとめ払いをするとした上で、購入した切手を現金化した可能性を指摘する。

この業界で大量の「切手購入」をする場合、もちろん郵便物の郵送に使う人もいるにはいるが、当然ながら量が多い場合は手間と料金を考えて「市内特別」「料金別納・後納」にする。今時切手を買うというのは、なんらか他の意図があると業界的には見る。

そう。ご想像の通り、その後それを金券ショップで売り現金化し、政務活動費をちょろまかす・・ということが、容易に想像出来るのだ。

(中略)

「切手」の購入の仕方はその議員の政務活動費を見るポイントのひとつなのだ。

(井戸まさえ日誌『政務活動費と「切手」』より 2014/07/05)

■野々村氏は「質問出尽くした」

政務活動費収支報告書をつぶさに見れば見るほど、疑念は深まるばかりだが、野々村氏は7月7日付のブログで、「無許可取材」をした記者の個人名をあげ、「3時間以上にも及ぶ時間のなかで全てお答えし、質問が出尽くしたのを確認しました」として、取材自粛を報道陣に求めている。

7月1日記者会見を行い、出席された全ての記者の質問に対して、3時間以上にも及ぶ時間のなかで全てお答えし、質問が出尽くしたのを確認しましたので、以後の取材は一切受けない旨表明したところでありますが、2日午前7時30分頃、記者会見に出席したテレビ局に所属していると思われる男性記者1名による自宅まで押し寄せてのアポなし無許可録画取材等約束違反があり、議員活動は勿論日常生活にも支障があり、心身ともに疲れ果てて不安で一杯で、私本人はもとより、家族や親族にまで取材が過熱する恐れがあり、知人や友人をはじめ、近隣にお住まいの方々にまでご迷惑が及び大変心苦しく思っています。

そこで重ねて、7月1日記者会見時に表明し、2日兵庫県政記者クラブ各位に文章配付した通り、議員活動は勿論日常生活にも支障が生じ、人権侵害や居住権侵害等不法行為に当たるような電話、自宅やその周辺まで押しかけての取材等私に対する一切の活動を自粛するよう強く申し入れます。

(野々村竜太郎オフィシャルブログ「取材自粛申し入れについて」より 2014/07/07 12:00)

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