石原伸晃環境相は8月11日、原発事故の放射能汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設について「福島県をはじめ皆さんが、自ら行動するという認識をしっかりと持っていただくことが重要だ」と述べたと、時事通信が伝えている。福島市内で開かれた「原子力災害からの福島復興再生協議会」でのあいさつだったという。
地元の理解と協力を求めた形だが、中間貯蔵施設は国の責任で設置することが決定済み。石原環境相の発言は、福島県に責任を負わせるものとも受け止めかねられず、地元の反発を招く可能性もある。
会議終了後、福島県の佐藤雄平知事は「直接的には国が対応すること。責任を持って、丁寧に説明をして進めてもらいたい」と釘を刺した。候補地の一つとなっている大熊町の渡辺利綱町長も「早く建設したいというのは分かるが、位置付けとしては迷惑施設だ」と、困惑した様子だった。
政府は昨年7月に決定した福島復興再生基本方針に「国の責任で中間貯蔵施設を確保する」と明記。環境省は福島県内の楢葉、大熊、双葉の3町を中間貯蔵施設の建設候補地として挙げているが、地元との意見調整が難航し、設置は遅れている。
ネット上では石原環境相の発言について、「地元の神経を逆なでする発言」「国の責任を福島に押し付けるか?」と憤る声が多数上がっている。一方で、「原発のメリットを享受してきた地元の責任もある」と国だけが対応することへの限界を指摘する意見もあった。
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