ノルウェーのノーベル賞委員会は10月11日、2013年のノーベル平和賞を化学兵器禁止機関(OPCW)に授与すると発表した。女性や子供たちの教育を受ける権利を訴えるパキスタンの少女マララ・ユスフザイさん(16)は最有力とされていたが、受賞しなかった。
OPCWは世界各地で化学兵器の廃棄を進める国際機関。1997年に発効した、化学兵器の開発、生産、貯蔵、使用を禁止した「化学兵器禁止条約」(CWC)に基づいて設立された。OPCWは内戦が続くシリアで化学兵器廃棄に向けた査察を行っている。
ことし8月、シリアで化学兵器が使われた問題では、OPCWはアサド政権から保有する化学兵器に関する報告書の提出を受け、来年半ばまでにシリアにある全ての化学兵器の廃棄を完了するという計画を決定しました。
OPCWの査察チームは今月から現地に入り、化学兵器の廃棄に向けた作業を行うなど、すでに活動を始めています。
しかしシリアには、およそ1000トンに上る大量の化学兵器が20か所以上にあるとみられており、アサド政権と反政府勢力の激しい内戦が続いているなかで、査察チームの安全を確保しながら、計画通りに化学兵器の廃棄を進めることができるかが大きな課題となっています。
(NHKニュース「ノーベル平和賞にOPCW」 10/11 18:20)
朝日新聞デジタルによると、今回の授与は、化学兵器の廃棄や拡散防止への貢献を評価するとともに、内戦下のシリアで進行中の廃棄活動を後押しする狙いがあるという。
マララさんはノーベル平和賞の有力候補として関心が高まっていたが、16歳という若さでの受賞について「重荷を与えるのではないか」と指摘する声もあった。