東京都は3月30日夜に緊急会見を開いた。厚労省クラスター対策班のメンバーである北海道大学大学院の西浦博教授が出席した。西浦教授はキャバレーやナイトクラブなどの「夜の街」で感染が広がっていると警告した。
都内の新型コロナウイルスの感染について、東京都における孤発例(感染源が不明な患者)を分析した。特定業種に関連することが疑われる事例が見受けられたという。全部で38人おり、最近2週間の約30%の患者が該当するという。
西浦教授は「夜の街……といいますか、夜間やら早朝にかけての接待飲食業の場での感染者が東京都で多発していることが明らかになりつつあります」とした上で、該当する業種を風営法に当てはめて「キャバレー等」(クラブ、ラウンジ、キャバクラなどを含む)、「ナイトクラブ等」、「バー・酒場など」とした。
会見場で配布された資料によると、38人の内訳は20代が6人、30代が9人、40代が13人、50代が7人、70代が3人。「幅広い年齢層を含むことが特徴になっています」とした。これは保健所の調査に応じた分のみであり、実際には患者が調査に応じていないケースもあるため「積極的に対策を講じなくてはいけない数の伝播が始まっている可能性がある」とした。
東京都の小池百合子知事は、こうした報告を受ける形で、会見の冒頭で「若者はカラオケやライブハウス、中高年はバーやナイトクラブ、接客を伴う飲食店の出入りを当面自粛していただきたい」と呼びかけていた。