ワールドカップ・ブラジル大会の開幕戦、ブラジル・クロアチア戦でブラジルに与えたPKの判定が物議を醸した西村雄一さんが、7月27日のJ1リーグ第17節、浦和・鹿島戦で帰国後初の主審を担当した。
ゲーム中、ペナルティエリアできわどいプレーがあったが適正な判定をしたことで、両チームの選手、監督から賞賛を受けている。日刊スポーツなどが報じた。
会場がどよめいたのは後半24分の判定。同点の状況で浦和槙野が、ペナルティーエリアに進入してきた鹿島杉本をスライディングで止めた。観客からは、背中から落ちた杉本が足をすくわれたようにも見えたが、西村主審は即座に腕を横に振ってPKを取らなかった。試合後、槙野は「100点の守備」と自賛。杉本も「さすがでした」と正当に止められたことを証言した。その動きを30メートルほど後方から見ていた西村氏に迷いはなかった。
(日刊スポーツ「西村主審“復帰戦”両軍監督が絶賛」より 2014/07/28)
後半途中まで警告を出さずに試合をコントロールし、鹿島のセレーゾ監督は「両チームの選手の感情をよく抑えた」と高く評価した。
W杯ではブラジル―クロアチアの開幕戦を担当したが、PKの判定が物議を醸した。浦和のペトロビッチ監督は「W杯では難しい立場に置かれたが、あれはPKをとってもおかしくない場面。彼には『決して悪くなかった』と伝えた」と話した。
(スポニチ「W杯で笛吹いた 西村主審が浦和戦で復帰「W杯では難しい立場に置かれたが…」」より 2014/07/27)
議論の的となったワールドカップ開幕戦の判定について西村さんは、帰国後の記者会見において、問題のシーンを詳細に振り返り、PKの判定は大会の基準に沿ったもの、と説明している。
西村主審も自身の判定について言及。「いろんな立場の方がいるので、それぞれの考え方を尊重する」と前置きしたうえで、「パスを受けたアタッカー(フレッジ)はそのままワンステップでシュートを打ちたかったのだと思う。しかし、DFの選手(ロブレン)は(フレッジが)キープするのだろうと思って、手をかけたというのが実際に起きたこと。シュートを打たれると思っていたら、DFも手をかけなかったはず」と指摘した。
「読みの差がそこに出た。目の前で起きた現実をルールに照らし合わせると、ホールディングによって、その選手(フレッジ)はシュートを打つことができなかった。私は、的確なポジションから見えたものに正直に対応することを大事にしている。自分に素直に対応させてもらった」
(ゲキサカ「W杯開幕戦でのPK判定を語る西村主審「自分に素直に対応した」」より 2014/07/25)
【西村雄一さん関連の記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー