今回、批判を受けて考えたこと。

多くの皆さんから、予算委員会でくだらない質問をするなと言われるが、バラエティ番組や3面記事だけを見て発言せず、ぜひ国会動画を実際に見ていただくことをお願いしたい。

■ 25日の予算委員会で質問

25日の予算委員会で質問に立った。

23日西川農水相が辞任した。

第一次安倍内閣から数えれば、安倍総理のもとで7名の閣僚が辞めたことになる。

私が今回の西川前農林水産大臣のケースを追ったわけは、そこに「利益誘導・税金還流」の疑いがあるからだ。企業が国の補助金をもらえるように行動し、補助金をもらった後にその企業から献金を受け取る。監督官庁の大臣として影響力のある立場にあれば、なおさら問題である。

西川前大臣は、選挙区内の木材加工会社テクノウッドワークスの「顧問」であったことを認めた。そしてこの会社も精糖工業会と同じく、多額の補助金をもらっている。

私は、国の補助金がからむことに政治家が関与し、献金という形で「利益誘導・税金還流」を行った可能性があることが問題だと一貫して主張しているのだ。

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■ 私の説明責任

そして、西川元大臣を追求したことにより、産経新聞の報道にはじまり、私自身、西川大臣のケースと同じだとたたかれている。

代表者が同じ8つの会社が、それぞれ法律の範囲内でパーティ券を購入しているものの、合計すると法律上の上限である150万円を超え、これが脱法ではないかという批判だ。

まず、これを見て欲しい。

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従業員も含め、住所も全て違うそれぞれ実態のある会社だ。

冷凍食品、麺類の製造、不動産業など、業種も違う。

西川前大臣の時に指摘したような国家公務員の天下りもいない。

国の補助金も受けていない。

どこが西川前大臣のケースと同じなのか。

また、林農林水産大臣の収支報告書に私と全く同じケースを見つけた。

これを見て欲しい。

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林大臣の場合は、同じ代表者が社長をつとめる2社が、それぞれ100万円のパーティ券を購入し、いずれも政治資金規正法の150万円の上限の範囲内だが、足し合わせると200万円となり法定上限を超えるというケースだ。

これに対して、安倍総理は、

「同じ社長さんがいくつか会社を経営しておられるということはあるでしょうし、...(法規制は)個人に着目していない...法人ということかなと思う。」

と述べた。

さらに、「報道の仕方...によっては、まるでとても悪意のあるような雰囲気になることもあるので、冷静に議論すべきではないか」

として、一部の報道のあり方に苦言を呈した。

なお、私のケースは新聞に書かれた。しかし、なぜ、林大臣のケースは書かれないのだろうか。同じ扱いであるべきだと思うが、どうだろう。

また、今回の報道をうけて、農林水産委員会の理事を辞任しろとも言われた。

私が理事をやめるべきなのであれば、同じケースの林大臣はどうなるのだろうか。

ただ今回、批判を受けて、私自身、考えた。

たとえ合法であり、「利益誘導・税金還流」ではないとしても、一般の国民の感覚から見て違和感を覚えるようなことがあるとすれば、改善を考えるべきではないかと。

具体的に言えば、政治資金規正法の改正を検討すべきだと思うようになった。

例えば、現在のパーティ券購入に関する政治資金規正法上の規制に、金融や会計の世界でよく用いられる「実質支配基準」の概念を導入し、資本関係や契約関係から実質的に同一とみなされる範囲を、法律上より明確にしてはどうかと思う。議員立法による改正も検討していきたい。

また、多くの皆さんから、予算委員会でくだらない質問をするなと言われるが、バラエティ番組や3面記事だけを見て発言せず、ぜひ国会動画を実際に見ていただくことをお願いしたい。

全て見てから発言してくださるなら、有意義な議論になるかと思う。

■ 農地集積バンク予算

ちなみに、この日は、農政についても質問している。農地中間管理機構の予算である「機構集積協力金」に切り込んだ。この予算については、昨年12月末現在で執行率がわずか6.4%であることが私が要求した調査で判明した。にもかかわらず、26年度補正予算で200億円が追加で積まれた。そして、来年度予算で90億円がさらに当初予算で計上される。

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これはあまりにも雑な査定ではないかと私が質問したところ、政府からは、23万haもの借り受け希望があるので、「念のため」予算を積んでいるという回答があった。

使われていないのに、補正予算で200億円、さらに当初予算で90億円...ありえないぐらいいい加減で、たぶん、こういうことを普通の方が知ったら、あまりの感覚の違いに驚くと思う。

とにかく税金のムダづかいを許さない。

私は財務省にいた。そこで、こんな状態では日本がダメになる、心底そう思ったのが、私が政治家になったきかっけだ。

信念に基づき、過去2年間で68回質問に立ち、多くの疑惑のある予算をつぶしてきた。厚生労働省の雇用関係予算の国庫返納70億円を実現したのはその一例だ。

これからも、国民の税金が効率的、効果的に使われるよう、国会で予算の使われ方に厳しい監視の目を向けていきたい。

(2015年2月26日「Yuichiro Tamaki Official Blog」より転載)