プロ野球の頂点を決める日本シリーズ。2021年はオリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズの対戦となる。
今回のシリーズは、プロ野球史上初となる、前年リーグ最下位同士の決戦だ。
シーズン前の低評価を物ともせず、リーグトップを手にした2チーム。注目の対決は11月20日(土)に京セラドーム大阪でスタートし、先に4勝した方が優勝となる。
予定されている第1戦〜第7戦の試合の日程と、放送予定は次の通り。
第1・2戦は京セラドーム大阪、第3〜5戦は東京ドーム、第6・7戦日はほっともっとフィールド神戸で開催される。
DH制はある?レギュラーシーズンとの違いは?
パ・リーグとセ・リーグの違いといえば、DH制(ピッチャーが打席に立たず、代わりに打撃だけの選手が攻撃に加わる)。
2020年の日本シリーズは、新型コロナの影響で全試合DH制だったが、2021年は例年通りパ・リーグチームのホームゲームのみがDH制。そのため、第3〜5戦の東京ドームではピッチャーも打席に立つ。
また、2021年レギュラーシーズンと違い、日本シリーズでは延長戦も行われる。
延長戦は第1〜7戦までは12回まで。ただし第7戦が終わった時点で、どちらも4勝しない場合(2勝2敗3分など)は第8戦も行われ、その場合は回数無制限での延長戦になる。
それでも決着がつかなければ、11月30日(火)に最後の試合が行われる。
この30日の試合の延長戦は、試合前の勝ち数によって実施方法が異なる。
試合前に両チームの勝利数が同じだった場合は、無制限の延長での決着。
一方、この試合の前にどちらかのチームが1つ多く勝っていた場合は、延長は12回で打ち切られる。そして打ち切った時点で勝利数が並ぶようであれば、タイブレークで勝敗を決める。
タイブレークは、新たにメンバーを組み直して、無死1、2塁の状態からスタート。回数制限は設けずに、勝負が決まるまで試合を続ける。
ここまでもつれる可能性はさすがに低そうだが、野球ファンとしては、1試合でも多く熱戦をみたいというのも本音だろう。
ちなみに、11月29日(月)の第8戦、30日(火)の第9戦はともに京セラドーム大阪で開催されるが、第9戦のホームチームはスワローズになる。
見どころは?投も打も楽しみ
今回の日本シリーズは、4年振りに予告先発が採用されないため、試合直前まで先発ピッチャーを予想するワクワク感が楽しめそうだ。
ただし、バファローズの中嶋聡監督は、初戦の先発を山本由伸投手と明言している。
山本投手は今季18勝5敗、防御率1.39と圧倒的な成績を残した球界を代表する右腕。初戦で立ちはだかる壁にどう対応するか、スワローズ高津臣吾監督の手腕が問われる。
一方のスワローズは、プロ2年目の奥川恭伸投手が初戦を投げると予想されている。
奥川投手はクライマックスシリーズ初戦でプロ入り初完封するなど、今季大きな飛躍を遂げた燕の若きエース。大舞台でどんなピッチングを見せるのか注目だ。
バファローズは山本投手の他にも、13勝をあげた宮城投手や田嶋投手など好成績を残した先発陣が揃っている。
対するスワローズは、今季チーム防御率を大幅に改善した。ストレートに力のある高橋奎二投手や、コントロール抜群の石川雅規投手など若手からベテランまでの投げっぷりを楽しみたい。
好投手がいる一方で、バファローズとスワローズはともに打撃が自慢のチームでもある。
オリックスは2年連続の首位打者の吉田正尚選手、打率3割越えでホームラン王の杉本裕太郎選手など、力のある打者が揃う。
スワローズは、100打点以上あげている山田哲人選手や村上宗隆選手に加えて、塩見泰隆選手やドミンゴ・サンタナ選手などが打撃好調だ。
両チームともに、躍動感のある攻守を期待したい。
3度目の対決
バファローズとスワローズは日本シリーズでは過去に2度対戦し、いずれもスワローズが勝利している。
1995年のシリーズでは、中嶋監督と高津監督がそれぞれ現役の捕手、投手として出場。26年の時を経て、今回は監督としての対決になる。
3度目の正直で勝ちたいオリックス。しかし日本シリーズはパ・リーグのチームが8連覇しており、スワローズも負けられない。
今季最後のウィニングボールを手にするのはどちらのチームになるだろうか。