任天堂が10月30日に発表した2013年4-9月期の連結決算は、営業損益が232億円の赤字だった。赤字の背景には何があるのか。岩田聡社長は、何を語ったのか。
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大阪市内での記者会見で岩田聡社長は、新型ゲーム機「WiiU」については、販売が大きく上向いた状況にないとした上で、年末商戦に向け、有力ソフトの本体とのセット販売や、周辺機器の投入などを通じ、「このタイミングで状況を変えたい」と、通期目標の達成に強い覚悟で臨む姿勢を示した。
一方、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」は有力ソフトの投入により国内では「大変いい流れで年末商戦に入れる」と分析。海外においても「大いに期待している」と話した。
円安の影響で為替差益が183億円発生したことから、中間期の経常損益は12億円の黒字(同472億円の赤字)、当期損益は6億円の黒字(同279億円の赤字)と改善した。14年3月期末時点の想定為替レートは、ドル/円が90円、ユーロ/円が120円で、それぞれ据え置いた。
新型ゲーム機「WiiU」の14年3月期の販売計画は900万台で据え置いた。「ニンテンドー3DS」は同1800万台、据置型ゲーム機「Wii」は同200万台に据え置いた。
通期の業績予想も据え置いた。営業利益は1000億円(前期は364億円の営業赤字)となる見通し。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト22人の予測平均値669億円を49.2%上回っている。連結売上高予想は前期比44.8%増の9200億円、経常利益は同8.6倍の900億円、当期利益は同7.7倍の550億円の見通し。
(長田善行)
[東京 30日 ロイター]
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