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日経電子版の料金は高いのか? ホントに必要? コンサルが語るコスパと活用術

「日経電子版の料金は高いのか?」「ホントに必要? 無料版ではダメなの?」「ビジネスパーソンが日経電子版を使いこなすコツは?」大手コンサルティングファームの社員やスタートアップCEOが座談会に参加。日頃の情報収集術やインプットがビジネスに役立ったエピソード、日経電子版のコスパ、評判、活用方法などを話し合った。
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ビジネスパーソンに欠かせない「情報収集」。大手コンサルティング会社マネージャーやスタートアップ代表…ビジネスを成功させてきた人たちは、どのような情報収集をしているのだろうか。社会人の定番「日経電子版」は購読者が多い反面、「料金が高い」の声も聞かれるが、その評判や活用方法は? 情報収集術や日経電子版のコスパ、評判、活用方法などを3人が話し合った。

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上段:ナウキャスト代表取締役CEO 辻中仁士さん、下段左から、大手コンサルティング会社勤務 森田善仁さん、AGSコンサルティング IPO事業部 マネージャー 古郡由佳さん(以下敬称略)
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■情報収集のコツは「広さ」と「深さ」の2軸。日経電子版は必須

── みなさんの業務と情報収集の方法を教えてください。

辻中:私は金融機関や事業会社向けにビッグデータ分析を手がけるスタートアップの代表をしています。定期購読しているのは、日経電子版や金融経済誌など。米国の金融情報や業界紙もよく見ています。

情報収集は「網羅的に知るメディア」と「深く知るメディア」の2種類を使い分けています。たとえば、日経電子版などの「網羅的に知るメディア」はバランスよい情報収集が目的。平日の朝夕に目を通します。業界紙などの「深く知るメディア」は、土日に2、3時間まとめ読み。投資判断に使われるビッグデータ情報など、仕事の専門知識を高めています。

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辻中仁士さん:株式会社ナウキャスト 代表取締役CEO。日本銀行にて統計業務や経済調査業務に従事した後、ナウキャストにてシニアアナリスト兼セールスマネージャーとして事業開発を推進し、2019年から現職。京都大学経済学部卒。
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森田:私はコンサルティングファーム勤務。クライアントに合わせた情報収集が多いです。収集方法は2段階。まずプロジェクトが開始したら、日経電子版や経済情報プラットフォームで業界の動向をおさえます。その後、個別の企業のトピックス等を深掘りしていきます。

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森田善仁さん:外資系コンサルティングファームに所属。通信、ハイテク業界を中心に、新規事業開発支援を担当。事業戦略の策定から、テクノロジーを駆使したサービスコンセプトの検討、伴走型による事業推進まで幅広く支援。
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古郡:私もコンサル勤務で、財務系の業界誌の他、日経電子版でIPOや教育テック、ガバナンスなどの記事を読んでいます。その他、網羅的な情報を手に入れるため、毎日ニュースサイトの見出しを移動時間などに一通りチェックしています。

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古郡由佳さん:株式会社AGSコンサルティング IPO事業部 マネージャー。大手監査法人を経て、2012年より現職。成長企業に対するIPO支援が専門で、クライアントの経営課題に対応すべく業務に取り組んでいる。早稲田大学大学院経営管理研究科在学中の社会人大学院生。
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■スマホの通知から必要な情報を深掘り。日経電子版の活用法

── みなさん共通して使っている日経電子版の活用方法を教えてください。「日経電子版の料金は高い」という声もありますが、どう思いますか?

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日経電子版アプリ
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辻中:アプリが使いやすいので、日経電子版はスマホで読むことが多いですね。一面はもちろん、全体にざっと目を通しています。あとは、法律に関する議論のまとめ、株価の解説なども重宝しています。

たとえば、2022年、個人情報保護法が改正される予定です。普段から議論の過程や背景を追っているので、今は先回りして準備しています。法律の改正や業界へのインパクトを予測し、対策を講じておくことは、ビジネスで非常に重要です。

株価の解説は、金融など取引先の業界動向を深く知るのに重宝しています。たとえば、「サプライズの決算があって株価が大幅に変動した」など、個別に情報収集するのは手間がかかります。日経電子版には話題の株を紹介するコーナーがあり、背景の解説もあるので、短時間で状況を把握できます。そのような情報収集があればこそ、クライアントの最新状況を把握し、新たな提案ができます。

ゆえに、日経電子版は「必要経費」ですね。そこにお金をかけないと悪い意味で差がついてしまう。サブスクはあまり契約していませんが、日経電子版は就活時から購読しています。社会人として必要な基礎的なビジネス教養や思考法を学ぶことができるので、若手社会人や学生などには購読をおすすめしたいです。

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興味や関心のあるキーワードを登録しておくと、関連する記事を自動収集できる
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森田:私は、「クラウド」や「IoT」など、キーワードを設定してメールに通知が届くようにしています。気になった記事は、日経電子版のスマホアプリで読むことが多いです。資料作りの際はPCで作業しながら閲覧し、記事の保存機能なども活用します。ある企業や業界でおきた出来事を時系列に一覧化して見ることができるので、短時間で概況を掴むのに適していますね。

他にも、たとえばクライアント企業の歴史や社風を「私の履歴書」から読み解いて、日常の支援活動の中にコンテクストとして織り交ぜてみる。それだけでも相手が受ける印象や腹落ち感が変わってくると思います。経営陣と話す機会もあるので、「誰々さん、私の履歴書で語られていましたね」など、会話の切り口にもなります。クライアントと接する機会が多い人には、ぜひ読んでいただきたいです。

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日経電子版の人気コーナー「私の履歴書」
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日経電子版は「安くはないけど必要」という位置づけですね。サブスクは定期的に見直しますが、日経電子版は必要な情報が取れるものとして削れないです。

古郡:私はPCでワード検索をして日経電子版を読むことが多いです。最近は再生医療や有機EL関連の記事を保存しておいて、まとめて資料に活用したり、チームに共有したりしています。クライアントが属する業界の動向を追うことも大切です。会社で週に一度、勉強会があるので、事前に会社法の改定とか、会計、IPOのトピックを集めて、意見交換に役立てています。日経電子版は、情報を取る時間が限られている多忙なビジネスマンにおすすめしたいです。キーワード検索など機能を使えば、知りたい記事を過去分から継続して閲覧できるので、時間のロスがありません。

サブスクは娯楽とビジネス、半々で8個くらい契約していて、日経電子版が一番高いです。でも、解約を検討したことはありません。日常的に業務に使うものに関しては、お金をかけるべきではないでしょうか。

■意思決定や行動に繋がる情報収集を

── 最後に、今後のキャリアでの日経電子版の活用法を教えてください。

辻中:社員10名でスタートしたナウキャストは、今25名ほどに。ステージが変わるフェーズです。私たちより少し先のステージにいる企業の動向を日経電子版でチェックしながら、経営のヒントを得たいですね。たとえば最近、あるデータ関連のスタートアップが米国の同業他社を買収した記事を読みました。意思決定のプロセスや株価の反応など、事例としてとても参考になり、刺激も受けました。

森田:実は今、本業とは別にスタートアップのお手伝いをしています。普段の業務や関係先からは知見が得られないヘルスケアの分野なので、日経電子版で関心キーワードに設定し、インプットを続けているところです。

古郡:最近は、創業準備中の友人から相談を受けることなども。本業と無関係な旅行関係なので、業界やインバウンド情報を日経電子版で収集しています。スピード感を持った柔らかい情報を集められると期待しています。

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■キャリアデザインは情報収集が鍵。日経電子版の活用術

ビジネスパーソンが手放せない情報源として、信頼の厚い日経電子版。3人が重視していたのは、情報を目的やフェーズごとに分類し、インプットを続けることだった。あなたもビジネスの一環として「情報収集」をより意識してみては。日経電子版は、詳細な企業ニュースや国内外のビジネストレンドを読み解くコラムなど、毎日約1000本の豊富な記事を配信している。もちろんPC、スマートフォン、タブレットに対応しており、興味のある記事のみを集める機能も備わっている。

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「日経電子版」読み方の例

・「朝刊・夕刊」で主要ニュースをチェック

毎日の主要ニュースのチェックには、朝刊・夕刊が便利。PC、スマートフォン、タブレットから紙面ビューアーアプリを使えば、紙面そのままのレイアウトでの閲覧可能。バランスよく情報に触れることができる。

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・「Myニュース機能」で欲しいニュースを抽出

「Myニュース機能」を使えば、特定の企業、業界情報やキーワード、トピック、コラムを自動収集。「まとめ読み」で情報収集が効率化でき、時短にも。他にも「保存機能」を使えば、“あとで読む”など好きなラベルをつけて分類可能。自分の“興味データベース”として活用できる。

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・ニュースの「読み方」「解釈」を学ぶ

「ニュースを読み解く力」は、ビジネスパーソンに欠かせないスキル。日経電子版では、各界のエキスパートたちがニュースにひとこと解説を投稿する「Think!」の利用がおすすめ。池上彰さん、楠木建さんなどのコメントを気軽に読むことができる。その他、有識者が問題の核心をライブで解説する「NIKKEI LIVE」もあり。中国経済、Amazonなど大企業の戦略、起業家の討論会、SDGsを学ぶ番組などが配信されている。

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(取材・執筆/樋口かおる 編集/磯村かおり)