トムソン・ロイターが2日、エコノミストやストラテジストなどを対象に実施した2014年相場見通しアンケートでは、年末にかけて株高・円安が一段と進むとの予想が多かった。日経平均
アンケートには33人が回答し、日経平均とドル/円の2014年中における高値と安値、その時期について答えた。それによると、日経平均の高値予想で一番多かったのは1万8000円、安値は1万4000円。1万8000円を付ければ07年7月以来の高値水準となる。高値を付ける時期は12月が10人と最も多く、年末高を見込む声が目立った。一方、安値は1月と6月がともに6人だった。
来年は日米欧など先進国景気の拡大基調を背景にリスクオン相場が続く見通しで、「(債券から株式への)グレートローテーションが緩やかに進む」(BNPパリバ証券・日本株チーフストラテジストの丸山俊氏)とみられている。
具体的な株価のサポート要因として、国内企業業績の回復や日銀の追加緩和などを指摘する声が多かった。
半面、米量的緩和縮小や消費増税実施に伴う国内景気の失速などが波乱要因として意識され、「(相場が)たびたび不安定化する」(ニッセイ基礎研究所・シニアエコノミストの上野剛志氏)との声も出ていた。
ドル/円の予想中央値は高値110円、安値は96円となった。ドル/円の110円は2008年8月以来の高値となる。高値をつける時期としては12月が最も多く、31人中15人が予想した。安値は1月との予想が7人で最多だった。
外為市場の全体的な動きとしては、緩やかな円安基調になるとの予想が目立った。米景気回復や日米の金融政策の方向感の違い、株高トレンドの持続などが理由として挙げられた。
ただ、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志シニア通貨ストラテジストは「消費増税後の日本景気は市場が見込むほど強いものではなく、米景気も金利上昇による下押し圧力が意識されやすい。テールリスク発現による円買いの動きも想定すべき」とした。
消費増税については、村田氏を含め日本景気に打撃とする回答が多かったが、「消費増税後も消費は衰えず、円安気味に推移する可能性がある」(邦銀)との声も出ていた。
*回答の概要は以下の通り
<株式>
●日経平均・高値
1万8000円 10人
1万7000円 6人
2万円 3人
その他 8人
●日経平均・安値
1万4000円 7人
1万3000円 6人
1万5000円 5人
その他 8人
●日経平均・高値時期
12月 10人
3月 4人
10月 3人
その他 8人
●日経平均・安値時期
1月 6人
6月 6人
3月 3人
その他 9人
<為替>
●ドル/円・高値
110円 10人
115円 6人
107円 4人
105円 4人
その他 9人
●ドル/円・安値
95円 10人
100円 6人
96円 3人
98円 3人
その他 10人
●ドル/円・高値時期
12月 15人
4月 4人
10月 3人
その他 9人
●ドル/円・安値時期
1月 7人
6月 5人
4月 4人
その他 14人
(マーケットニュース取材チーム 編集:田巻一彦)
[東京 3日 ロイター]
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