日大のアメフト選手の危険タックル問題で、内田正人前監督と井上奨コーチが5月23日午後8時、緊急会見を開いた。
反則行為をした日大アメフト部の選手は22日の記者会見で、井上コーチから「相手(関西学院大学)のクォーターバックが怪我をして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」と言われたと証言している。
この発言について記者から質問が及ぶと、井上コーチはいったんは「(怪我という言葉は)使っていない」と断言。
しかし、さまざまな記者から繰り返し同じ事を問われると、次第に答えがしどろもどろになり、最後は「正直なところ、怪我っていう言葉を使ったか使っていないかというのは、正直覚えておりません」と回答を変えた。
質疑応答のやりとりは以下の通り。
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(NHK記者の質問)
ーー正確に(指示した)文言を伺いたい。昨日の会見では、「相手のクォーターバックと知り合いなのか。関学との定期戦がなくなってもいいだろう。相手のクォーターバックが怪我をして秋の試合に出られなくなったら、こっちの得だろう」という念の押され方をしたと聞いている。これは事実か
「友達か」ということは聞きました。
得か損かとか、そういう話は私はしておりません。「定期戦がなくなってもいいだろう」ということも彼には言っておりません。
ーー「相手のクォーターバックが怪我をして」とあるが、「怪我」という言葉は使っていないということか
使っておりません。
ーー彼(日大アメフト部選手)は、「怪我をして得だろう」という念の押され方をしたため、「潰せ」という指示を「怪我をさせてこい」という指示と認識した、という風に言っている。ここは大事なところだと思うが、彼が嘘をついているということか
いや、あの、正直、「潰してこい」と言っています。
それが例えば、要は、(彼を)思いっきりいかせるような気持ちにさせるために、「潰れたら」という表現というか、そういう過激なことは確かに彼には言いました。
ただ僕も一言一句覚えているわけではないんですが、ただ彼にそういう気持ちになってほしいな、という思いで言っていたというのは、間違いございません。
ーーつまり一言一句覚えていないので、本当にそういうことを言ったかどうかはわからないということか。それともそれは言っていないと、確信を持って言えるか
クォーターバックが潰れたら損とか得とか、そういう話はしておりません。要はそれが目的じゃないので。
ーー「潰してこい」という指示の時に、「怪我をさせてこい」という明確な意図がなかったとしても、「怪我をしてもいい」という気持ちがコーチの中にあったのでは
プレーの中で思いっきりいって...思いっきりいきなさい、という意味です。
要は、その中で、やりなさいと...はい。要は、怪我をしてもいいというか、そのプレーの中で思いっきりいって、正直相手が怪我をするとかしないとかというのは、そこは目的ではなかったので、考えていませんでした。
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しかし、その後日刊スポーツの記者から再度同じ質問を問われると、「(怪我という言葉を使ったかは)覚えていない」と答えを変えた。そのやりとりは以下の通り。
ーー非常に重要な点なので再度確認したい。当該選手が「相手のクォーターバックが怪我をして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」と言われたという発言に対して、(井上コーチは)「損得の話はしていない」と先ほど答えた。重要なのは相手が怪我することを示唆するような発言をしたかどうか。つまり「怪我」という言葉は使ったのか。刑事告訴された場合に非常に重要な点になると思うが
怪我という言葉を、正直どの場面で使ったかというのは、覚えていません。
その言葉だけ、彼に単体で伝えたというわけじゃなくて、本当に長い言葉で彼にいろいろ話をしてた。負傷させることが目的じゃないんですが、そのような過激な表現をしたということは事実です。
ーー「怪我」という言葉を使ったということか
そこが、正直なところ...「怪我」っていう言葉を使ったか使っていないかというのは、正直僕は覚えておりません。
ーー覚えていないということか
はい、覚えておりません。