NHK籾井勝人会長、相次ぐ不祥事について番組で謝罪 「責任は大変重い」【発言全文】

NHKの籾井勝人会長が28日、総合テレビの情報番組「とっておきサンデー」に出演し、同局内やグループ会社で相次ぐ不祥事について、視聴者に謝罪した。
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TOKYO, JAPAN - JULY 07: NHK President Katsuto Momii attends the Hoso Bunka Foundation Prize on July 7, 2015 in Tokyo, Japan. (Photo by Jun Sato/Getty Images)
Jun Sato via Getty Images

NHKの籾井勝人会長が2月28日、総合テレビの情報番組「とっておきサンデー」に出演し、同局内やグループ会社で相次ぐ不祥事について、視聴者に「大変申し訳ありませんでした。心からお詫びいたします」と頭を下げて謝罪した。

籾井氏は冒頭、次のように発言した。

NHKおよび、NHK子会社で不祥事が続き、視聴者のみなさまから厳しいご指摘やご意見をいただきました。大変申し訳ありませんでした。心からお詫びいたします。

不祥事を防ぐ取り組みをこれまで行ってきたにもかかわらず、こうしたことが起きてしまったことは、極めて残念です。私自身、悔しさでいっぱいです。そしてその責任を深刻に受け止めています。視聴者のみなさまから信頼されるNHkであるため、いまNHKは、グループ全体で抜本的な改革に着手しました。

NHKの技術系子会社のNHKアイテック(東京都渋谷区)では2015年12月、元社員2人が約2億円を着服していたことが発覚。2016年2月、同社社長らが引責辞任し、籾井会長ら全役員が報酬の一部を自主返納すると発表した。籾井氏は、NHKの責任についてこう語った。

今回発覚しました不正行為は、NHKが子会社を指導・監督するという役割を果たせなかった結果でもあります。私どもの経営責任は、大変重いと受け止めています。そこで、会長である私が、報酬の50パーセントを2カ月、自主返納いたします。すでに退任した2人を含む、執行部すべての役員11人も、報酬の10パーセントから30パーセントを2カ月自主返納いたします。また、アイテックの非常勤の役員を兼務する3人の職員を訓告としました。

NHKとアイテックでは、不祥事の発覚以降、その実態を明らかにする調査を開始し、この調査を踏まえたNHKアイテックの抜本的改革を、速やかに行っているところであります。

さらに、改革のポイントと、NHKの役割について語った。

基本的なことを、一つ一つ、積み上げて参ります。再発防止策や改革案は、作るだけではなく、それを確実に実行しなければ意味がありません。親法人であるNHKがしっかり指導・監督して監督してまいります。

NHKグループ全体の改革につきましては、グループ各社のあり方だけではなく、各社をまとめるNHK側の管理のあり方についても、抜本的な見直しを図っていきます。私自らがリーダーシップをとって、着実、確実に進めて参ります。

NHKではまた、さいたま放送局の記者3人が2015年11月までの1年余りで、業務用タクシーチケットを私的利用していたとして諭旨免職や停職処分などを受けた。さらに、危険ドラッグを製造したとして医薬品医療機器法違反の罪で略式起訴された男性アナウンサーが懲戒免職処分となった。籾井氏はこの問題についても言及した。

こうした一連の不祥事は、公共放送に携わるものとして、あってはならない言語道断のことです。視聴者のみなさまに、深くお詫び申しあげます。公共放送NHKで働くことの自覚と責任、そしてNHKが、視聴者のみなさまからの大切な受信料で成り立っていることを、全職員、一人一人の心に、しっかり刻むよう、強く求めていきます。

籾井氏は、最後に次のように話して締めくくった。

私がいま、取り組むべきことは、1日でも早く、視聴者のみなさまの信頼を取り戻すためにも、全力で改革を行っていくことだと考えています。新たに作った再発防止策を、一つ一つ、しっかり行っていく、当たり前のことを、確実に行う以外にありません。私が先頭に立ち、これらの改革に不退転の決意で取り組んで参ります。

籾井氏は2014年4月にも同番組に出演し、就任会見での不適切発言を謝罪していた

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