「#Eテレのために受信料払ってる」がトレンド入り。高橋洋一氏のEテレ売却論に反対する声

内閣官房参与の高橋氏が「Eテレ売却で受信料は半額にできる」と主張。「子育て世代を敵に回すのは、やめてください」などと反発する声が広がっている。
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NHK Eテレのロゴマーク(公式Twitterより)
Twitter/nhk_etv

菅義偉首相のブレーンがNHK改革の一環として、Eテレを民間に売却することを訴えている。しかし、SNS上では茂木健一郎氏や堀潤さんら著名人も含めて反対する続出。12月3日午後には「#Eテレのために受信料払ってる」というハッシュタグが日本のTwitterトレンドで上位に入る事態になった。

 

■高橋洋一氏のEテレ売却論とは?

「Eテレ売却」を主張しているのは、菅政権の内閣官房参与に起用された高橋洋一・嘉悦大学教授だ。

高橋氏は11月30日に「現代ビジネス」に寄稿したコラムの中で、Eテレの周波数帯を売却して携帯電話の通信に利用すれば「通話だけではなく、多種多類の映像コンテンツを同時に配信できる」と主張した。国民に対しても「受信料を大きく引き下げるメリット」があるという。

これまで「全国でみると、コンテンツのいい教育放送を地上波しか利用できない地域はなくはなかった」と必要性は認めた上で、小中学生に1人1台の情報端末を配る政府の「GIGAスクール構想」で状況は変わってきているという。Eテレには質の良い番組も多いが、それは「ネット配信に回せば良い」とした。

さらに12月3日、高橋氏は「マネーポスト」の記事に掲載されたインタビューの中で、「NHKが経営資源を無駄にしているのがEテレです」として同様の主張をした。記事タイトルには「Eテレ売却で受信料は半額にできる」の文字が躍った。

■著名人からEテレ売却に反発する声が相次ぐ

このマネーポストの記事が3日にSNS上で話題となった。@jptrendによると、「Eテレ売却」が午前中から正午にかけて日本のTwitterトレンドの1位になった。SNS上では売却に反対する声が多く見られた。

著名人のTwitterをみると、脳科学者の茂木健一郎さんはEテレ売却を「間違った方向」とした上で、「むしろチャンネルを確保して番組の多様性を増やすべき」と提言した。

また、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さんは「最も公共放送らしいEテレ売却なんて馬鹿げてる」と非難した。 

日本文学研究者のロバート キャンベルさんも「体のいい取り潰し案にわたくしは反対」とした上で「Eテレは、色んな年齢や状況の人々に文化へのアクセスを提供する大切なインフラ。視聴率だけでは評価などできません」と訴えた。

■「#Eテレのために受信料払ってる」がトレンド入り

こうした中で、午後5時ごろから日本のTwitterトレンドで2位に入ったのが「#Eテレのために受信料払ってる」というハッシュタグだった。以下のような、Eテレ売却に反発する声が集まっている。

 

「わざわざ受信料払ってるのは本当にEテレのため」

「Eテレが本体くらいに思ってる」

「子育て世代を敵に回すのは、やめてください」

「Eテレがあるおかげで育児が助かってるし、私の癒しでもある。これが今の形と違って放送されたりしたら、もうテレビを捨てる」

「広告なしで良質なコンテンツをこれでもか!って見せてくれる。それもスマホやPCにアクセスが難しい子どもでも“2”押すだけで観れるんだよ」

「もし、ネット配信にしたら、こどもはスマホで良質コンテンツよりYouTubeをみてしまう」

「大地震でどこの局も特番の時に、Eテレだけはいつもの時間に『おかあさんといっしょ』の“ぼよよん行進曲”が流れて、子供たちがその日常感で落ち着いた」

「PTSDを持った被虐待児の前で安心して流せるチャンネルはここだけだと思う」