ニュージーランド中部クライストチャーチの2つのモスク(イスラム教の礼拝所)で3月15日、銃乱射事件が相次いだ。
同日午後5時半(日本時間)現在、49人が死亡、少なくとも20人が負傷した。
警察当局は事件に関与した疑いで、男3人、女1人の身柄を拘束した。
金曜日はイスラム教徒にとって、昼間に崇拝をするためにモスクを訪れる重要な日。事件当時、礼拝所には多くの信者が訪れていた。
当局は事件後、国内のモスクに一時的な閉鎖を要請。市民らにも近寄らないよう呼びかけた。市内の学校も数時間にわたって閉鎖された。
警察によると、爆発物が仕掛けられた車も見つかったが、無事処理された。
容疑者とみられる男の1人は、犯行の一部始終を動画で中継、発信していた。
実際に視聴したハフポストUS版の記者によると、映像は「さあ、パーティーを始めよう」という男性の言葉で始まり、車を6分ほど運転してから降りた。
その後モスクと思われる建物に侵入し、多くの人々に向けた銃を乱射した。
約5分後、車で移動し、「狙いを定める時間もなかった。ターゲットが多すぎた」と言ったという。
男は自らを「28歳のオーストラリア国籍」と名乗った。
事件の直前、長文の声明をTwitterとOnlineフォーラム「8chan」に投稿、その中でイスラム教を嫌悪する言葉を繰り返し、白人至上主義の主張を引用していた。
動画はSNSで拡散されたが、視聴した場合、気分を害するおそれがあるため、ハフポストは映像の公開やリンク先の掲載は控える。
警察はビデオをシェアしないよう呼びかけており、IT企業と協力して映像を見られないようにしている。
FacebookやTwitterでは既に犯人のビデオやアカウントを消去したという。
アーダーン首相は「今日はニュージーランドにとって最も暗い日の1つ」と述べた。
その上で、「この事件はかつてない暴力行為」であり「彼らの居場所はニュージーランドにはない」と批判、自身と世界中の祈りは被害者とその家族と共にある、と話した。
ニュージーランドでは、銃乱射事件はここ10年以上起きていなかったという。
ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。