国旗の変更をめぐって、国民投票を実施していたニュージーランドで3月30日、最終集計結果が発表された。その結果、現在の国旗を支持する声が新デザインの国旗を上回り、変更の見送りが決まった。テレビ朝日などが報じた。
ニュージーランド政府は、新国旗を公募。1万292案のデザインの中から先住民のマオリ族にゆかりのあるシダの葉があしらわれた新デザインを選んでいた。しかし国民投票では現在の国旗が56.6%の票を集め、新デザインは43.2%に留まっていた。
■「植民地だった過去の象徴」首相は国旗変更を訴えていた
ニュージーランドの国旗は、隣国のオーストラリアによく似ている。両国ともイギリス連邦加盟国であるため、イギリスのユニオンジャックが左上に描かれ、南半球で見られる南十字星を表す4つの星が右側にデザインされているというほぼ同じ構図。オーストラリアの星は白で、ニュージーランドの星が赤と微妙に違う程度だった。
ジョン・キー首相は「イギリスの植民地だった過去の象徴だ。独立後のニュージランドの文化や社会を反映していない」と、国旗変更を訴えていたが、国民の機運は高まらなかった。
ロイターによると、国民投票にかかった費用は2600万ニュージーランド・ドル(約19億7000万円)にも上っており、国内からは「税金の無駄遣い」との批判も出ている。