世界一過酷と言われるヨットレース「ヴァンデ・グローブ」に挑戦していた日本人冒険家・白石康次郎さん(53)が2月11日、ゴールのフランス西部の港町レ・サーブル・ドロンヌ沖に戻り、世界一周を達成した。アジア人初の快挙だ。
白石さんのDMG MORI Global One号は、船尾に日本の国旗をはためかせて、ゴールした。94日21時間32分。たった一人だけの航行を終えた白石さん。ゴール後、港へヨットを入れるまでの間に時折、国旗の近くに立ち、伴走するカメラに向かって手を振って元気な姿を見せた。
白石さんは、2020年11月8日にフランス西部の港町レ・サーブル・ドロンヌを出発。しかし、わずか6日目にメインセールが破れるトラブルに見舞われた。だが、セールを自ら直して、11月27日に赤道を越えた。さらに、「帆船乗りの墓場」と言われてきた最大の難所の一つ、南米最南端のホーン岬も乗り越えてのゴールだ。出場全33チームのうち、16位。途中棄権は8チームもあった中、やり遂げた。
総距離約4万5000キロメートル、3カ月にも及ぶレースは、世界一過酷と言われる。常に一人でヨットを操縦するため、睡眠時間は、凪の時に細ぎれでとるしかない。競技時間は80日間、計約2千時間だ。
3ヶ月あまり経って、無事に戻ってきた。白石さんはヴァンデ・グローブについて、常に「神は結果を望んでいません、挑戦を望んでいる」と話していたが、とうとう結果を残した。