アメリカ大統領選は、接戦が続き情勢は予断を許さない。次期大統領はトランプ氏になるのか、バイデン氏になるのか。
トランプ氏は、激戦であり大票田のフロリダ州を制した。フロリダを落としたバイデン氏だが、激戦のウィスコンシン、ミシガン、アリゾナ州で勝利を確実にした。
接戦の状況の中、両氏は決戦のこの日の未明(現地時間)、どう動いたのか。
バイデン氏は、11月4日深夜0時半過ぎ(現地時間)にデラウエア州ウィルミントンで支持者の前に姿を表した。グレーがかった青のネクタイで、夫人とともに登場。
演説の冒頭、結果判明には時間がかかるとし、「全ての投票は集計される」と結果を待つよう訴えた。「我々は、非常に良い感触を得ている。勝利への道に乗っている」と呼びかけた。
バイデン氏はTwitterでも「信じて欲しい」と伝えている。
一方、トランプ氏は、深夜にTwitterを投稿。「我々は大勝利を収めたが、彼(バイデン氏)らによって選挙が”盗まれた”。我々はそんなことは許さない。投票所が閉まったらもう投票はできない!」というツイートは、Twitter社のポシリー違反の警告を受け共有不可になった。
さらに、トランプ氏はFacebookに「我々の大勝利だ。今夜声明を出す」と投稿したが、Facebookは「投票は集計中です。2020年米国大統領選挙の当確はまだ出ていません」というラベルをつけ、注意を促した。
トランプ氏のスピーチは、バイデン氏のアリゾナ州当選確実の報道が出る直前に行われた。トランプ氏は4日未明の午前2時20分過ぎ、ホワイトハウス内の会場に、鮮やかな青色のネクタイを身につけて登場。スピーチの予定時間に遅れて現れた。
トランプ氏が「勝ったも同然だ。もっと言えば、私たちは勝利した」と勝利宣言。
「投票所が閉まった後に票が加えられるべきではない」と訴え、「我々は大きな勝利に向かっている。しかし彼ら(民主党)は選挙不正をしようしている」
と根拠なく批判した。
また、「最高裁判所に行く。全ての投票をやめさせる」と、訴訟を起こして開票作業をやめさせると従前の主張を繰り返した。
報道各社はジョージアとノースカロライナの各州はまだ集計中としているが、トランプ氏は、激戦のジョージアとノースカロライナでも勝利をおさめるだろうと言い切り、「勝負は決まった。開票作業をやめるべきだ」と訴えた。
この早すぎる「勝利宣言」に対し、APは異例の忠告として「勝利宣言には早すぎます」と配信動画にテロップを表示し警告した。
激しい競り合いは続いており、勝敗の行方は激戦5州に持ち込まれている。ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン州と南部ノースカロライナ、ジョージアだ。
ハフポスト日本版は11月5日夜9時(日本時間)から、モーリー・ロバートソンさん、長野智子さんとともに大統領選を振り返りつつ、トランプ大統領に「支持が集まった理由」について議論するライブ番組を行います。アメリカの「ラストベルト(さびついた工業地帯)」を訪ね歩いた朝日新聞機動特派員の金成隆一さんとも中継をつなぎます。
番組はこちらから(時間になったら自動的にはじまります。視聴は無料です)。