「一人目になりたくない」感染者ゼロの町に走る緊張に市公式facebookは...。住民が言えない不安を思い切って代弁【新型コロナ】

「一人目の感染者にだけはなりたくない」「感染したら、陰口叩かれてこの町に住めなくなる」漫画ではこんな声が呟かれる。だからこそ今、心がけたいこと。
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新潟県見附市役所のfacebook
新潟県見附市役所の公式facebook

新潟県見附市の公式facebookに市在住者が描いた漫画が注目されている。

「一人目の感染者にだけはなりたくない」
「感染したら、陰口叩かれてこの町に住めなくなる」

漫画ではこんな声が呟かれる。新型コロナウイルス感染者ゼロの町で、こうした漠然とした不安がないわけではない状況が垣間見える。

市がつけたタイトルは「安心して感染したい」。「物騒なタイトルですが...」としつつあえて切り込んだ。

見附市は、新潟市から車や電車で1時間ほどの中越地方にある。感染者はこれまでのところゼロだ。

市公式facebookには「明日、自分が感染していないと自信を持って言える人は一人もいないからこそ互いを想い合う空気を」と、この漫画を掲載した理由をあげた。
「仮に見附市で最初の感染者になっても、市民が口を揃え『一日でも早く完治するといいね!』と心強い励ましを送ってくれるんであれば、安心出来ますよね」と訴える。

この漫画は、見附市の公式レポーターである同市民のイラストレーター村上徹さん(40)の漫画を転載する形で掲載された。漫画の最後は「見附人として互いを想い合う温かい『ひと』でありたいと願う」と締めくくられている。

市も反響に驚いているという。市関係者は普段の投稿以上に反応があると語る。

関連するコメントには「感染は誰のせいではありません。ネットでも感染者の住所分かったとか面白半分に言う人もおり、ウィルスより人の言動ウィルスが蔓延してます」といったものや、「コロナあるあるですね。「職場感染」と「家族感染」…実際に凄い嫌がらせを受けて、住めなくなって…お引越しされた方がありました」といった声が寄せられている。

村上徹さんはハフポスト日本版に「この騒動で、他人を許しにくくなった自分の心が怖く感じました。これまでになかったほど『臆病』になってしまった僕たちだからこそ、互いの手が必要だし、堂々と求めるべきだと思います」と話している。