新型コロナウイルスに感染して、10日以上昏睡状態で病と闘い続けた女性が、出産12日後に初めて、我が子と対面した。
ニューヨークに住むヤニーラ・ソリアーノさんは4月初旬、陣痛の最中に呼吸困難になり、ベイショアにあるサウスサイド病院に入院した。
abcニュースによると、ソリアーノさんは新型コロナウイルスの感染が確認され、酸素レベルが低い状態だった。人工呼吸器をつけて治療するために、ソリアーノさんを麻酔で昏睡状態にしなければならなかった、とサウスサイド病院のベンジャミン・シュワルツ医師は説明する。
ソリアーノさんの息子のウォルターさんは、緊急帝王切開で4月3日に生まれた。
赤ちゃんが生まれた時、ソリアーノさんは目覚めていない状態で、赤ちゃんの泣き声を聞くことも、赤ちゃんを抱くこともできなかった、とシュワルツ医師は語る。
「ほとんどの場合、お母さんたちは意識のある状態で出産し、出産後すぐに赤ちゃんを抱くことができます」
「しかし、今回のケースでは、お母さんが病気で人工呼吸器をつけなければならず、出産前に麻酔で無意識の状態にしなければなりませんでした」
■生まれて12日目に、初めて会えた
ソリアーノさんは11日間、人工呼吸器をつけたまま昏睡状態で過ごした。人工呼吸器が外れたのは出産から10日たった4月13日だった。
そして4月15日、ソリアーノさんは無事に病院を退院し、初めて赤ちゃんに対面した。
車椅子に乗ったソリアーノさんに夫が生後12日のウォルターさんを手渡すと、病院のスタッフから大きな拍手が沸き起こった。
シュワルツ医師は、治療に携わった全てのスタッフを誇りに思うと述べ、ソリアーノさんの回復と退院は希望だと語る。
「人工呼吸器をつけることになった新型コロナウイルス感染症の患者の多くが、亡くなりました」
「しかしこのお母さんは回復しただけでなく、自力で車椅子から立って車に乗り、赤ちゃんを抱くことができたのです。彼女は、今闘っている患者や将来の患者の希望です」
ウォルターさんは新型コロナウイルスに感染していないというが、医師たちは今後数週間、遠隔治療でウォルターさんの健康状態を見守る予定だ。