2020年東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場。その設計案をめぐって、混乱が続いている。
もともと2012年にイラクの建築家、ザハ・ハディド氏によるデザインが世界的な建築家、安藤忠雄氏が審査委員長を務めるコンペで選ばれたが、その案で建設した場合、予算の目安となる1500億円を大幅に超える3000億円がかかることがわかった。
2014年、コンペを開催した日本スポーツ振興センター(JSC)は、コストを予算内におさめるべく、ハディド氏のデザインのテイストを残しつつ、大幅にサイズを小さくした、修正案で建築することを決定。しかしこの案でも資材高騰や円安などの影響で工費が膨らむ見込みで、さらに取り壊しの業者選定に手間取り工期の遅れも生じた。こうした経緯から、当初の条件だった屋根付きでは2019年のラグビー・ワールドカップに間に合わなくなるとして、さらに修正案を見直し。2015年5月、完成当時は屋根なし、スタンドの一部を仮設にし大会後に撤去することで、950億円に収めるプランを下村博文文科相が明らかにした。
下村文科相は東京都にも500億円の財源支出を求めたが、舛添要一都知事は「誰も責任を取らない体制」とし、その経緯を批判。支出するかどうかについて態度を留保している。
ハティド案、JSCによる修正案、さらにコストダウン案……。一体、2019年に建設される新国立競技場は、どのような姿になっているのだろうか。
ハティド氏の当初案や、JSC修正案、コンペに出品された案を画像でまとめた。
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