2520億円という巨額の建設費をめぐって白紙見直しとなった新国立競技場。建設計画を進めた日本スポーツ振興センター(JSC)は、コンペの審査結果を発表した議事録を情報公開請求で公開するために、一部修正したことが民主党の提出した資料で明らかになった。
民主党のウェブサイトで8月5日公開された、黒塗りなしの第3回有識者会議の議事録と、情報公開請求で開示された「黒塗りあり」の議事録を比較し、どこを編集し、黒塗りしたのかを検証した。黒塗りにされていた部分にオレンジ色を付け、削除されていた部分を黄色にし、どの部分を元の議事録から変更したのかを可視化した。
黒塗りされていたのは委員の名前がわかる場所と、審査のポイントのところだ。コンペの審査当初から、現実性に関しては2位案のほうが評価が高かったことが伺われる。
また建築的な難しさについて、「問題」という表現が、「課題」にたびたび書き換えられている。その場所は(※)で表した。
以下、黒塗りなしの資料の全文を転載する。なお、議論に入る前の前段は黒塗りありの資料で大幅に省略されているが、この部分に関しては、色などを変えずそのままとした。
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国立競技場将来構想有識者会議(第3回)
デザイン競技審査関係 (抜粋)
日時:平成24年11月15日(木)16:00〜17:00
場所:グランドアーク半蔵門 4F 富士の間
出席:佐藤委員長、安藤委員(建築グループ座長)、小倉委員(スポーツグループ座長)、都倉委員(文化グループ座長)、鈴木(秀)委員、竹田委員、張委員、森委員、秋山氏(石原委員代理)、尾縣氏(河野委員代理)、伍藤氏(鳥原委員代理)、奧田氏(鈴木(寛)委員代理)
文部科学省 久保スポーツ・青少年局長
固土交通省 佐藤都市局官房審議官
JSC 河野理事長、藤原理事
審議事項 新国立競技場基本構想国際デザイン競技の審査結果について
【河野理事長】それでは、定刻ですので、会議を始めさせていただきたいと思います。日本スポーツ振興センター国立競技場将来構想有識者会議に大変お忙しいところ、また、いろいろと動きのあるところに、どうも今日はありがとうございます。今、森先生もこちらに向かっておられるということですが、会議を始めさせていただきたいと思います。それでは、ちよっと着席で失礼させていただきます。
審議に先立ちまして、本日ご出席いただいております委員の先生方をご紹介させていた
だきます。佐藤複一委員長でございます。
【佐藤委員長】 よろしくお願いいたします。
【河野理事長】 安藤忠雄、今回の審査委員長でございます。
小倉純二スポーツグループ部会の座長でございます。
今、森先生においでいただきました。森委員でございます。
都倉俊一文化グループ部会の座長でございます。
それから、張富士夫日本体育協会会長です。
竹田恒和日本オリンピック委員会会長でございます。
鈴木秀典委員、日本アンチ・ドーピング機構の会長でございます。
また、本日欠席されております委員の代理といたしまして、石原慎太郎委員の代理であ
ります秋山副知事でございます。
【石原委員代理(秋山)】 よろしくお願いします。
【河野理事長】河野洋平委員の代理で尾懸日本陸上競技連盟専務理事です。
【河野委員代理(尾懸)】 よろしくお願いします。
【河野理事長】それから、鳥原委員の代理として、伍藤日本障がい者スポーツ協会副
会長にお見えいただいております。
鈴木寛委員の代理として奥田さんにおいでいただいております。
また、文部科学省より久保公人スポーツ青少年局長にご出席いただいております。
国土交通省より佐藤憲雄都市局官房審議官にご出席いただいております。
日本スポーツ振興センターより理事の藤原が出席させていただいております。
それでは、初めに久保局長より一言ご挨拶いただければと思います。よろしくお願いい
たします。
【久保局長】失礼いたします。文部科学省スポーツ青少年局長の久保でございます。この会議、いつも副大臣と私とが出席させていただいておりましたけれども、ちょうど本会議と重なりまして、私が冒頭でご挨拶させていただくことをお許しいただければと思い
ます。
有識者の先生方におかれましては、このご多忙の中、我が国のスポーツ大会のメッカとしてずっと使われてきております競技場の将来構想につきましていろいろとご議論いただき、ご助言いただいてきておりますことに厚く御礼申し上げます。いよいよ今日、第3回の会議で具体的なアイデアの最終作品が決定されると伺っております。そして、来年には、いよいよ立候補ファイルの提出、そして来年度、具体的な候補地の決定に向けて、我々、関係機関と連携し、東京都、JOC、関係機関と一緒になってますます頑張っていきたいと思っております。
この国立競技場の改築に向けましても、来年度、基本設計費を計上しております。この確定に向けても一生懸命頑張らせていただきたいと思いますので、今後ともご指導頂戴いたしますようお願い申し上げまして冒頭の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【河野理事長】どうもありがとうございます。
大変恐縮ですけれども、本会議は非公開とさせていただいておりますので、報道関係者の皆様におかれましては、恐縮ですがご退場願えればと思います。よろしくお願いいたします。
(報道関係者 退室)
【河野理事長】それでは、本日の議事につきましては、お手元の議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。それでは、佐藤委員長、よろしくお願いいたします。
【佐藤委員長】本日はご多忙の中、お集まりをいただきましてまことにありがとうございます。第3回目の会議になります。本日の審議に当たり、一言御礼を申し上げたいと存じます。
審議事項にございますとおり、7月20日から募集開始をいたしました新国立競技場基本構想国際デザイン競技につきましては、日本をはじめ世界各国から46点の応募を頂戴いたしました。これまでの間、安藤委員長をはじめ小倉委員、都倉委員、そのほか審査委員の皆様方には審査委員会においてお忙しい中、長期間にわたりご審査をいただいたことに対しまして厚く御礼を申し上げるところでございます。
早速審議に入らせていただきますが、次第にございますように、本日の審議事項は大きく分けて2つでございます。第1は、新国立競技場基本構想国際デザイン競技の審査の結果を確定することでございます。審議の2は、今後のプロセスについてお諮りをすることでございます。
審議に入ります前に、事務局から配付資料の説明をいたします。
【武本本部長】それでは、事務局より配付資料の確認をさせていただきます。次第の下のほう、資料の一覧がございます。資料1が新国立競技場基本構想国際デザイン競技二次審査結果、資料2が新国立競技場基本構想国際デザイン競技審査講評、資料3-1が今後のプロセスについて、資料3-2が国立競技場の改築に関する想定スケジュール、そして最後が参考資料として都市計画の見直しと競技場施設建築敷地の図がついています。そのほか、席上にこれまでの有識者会議及びワーキンググループの関係資料をご用意しております。以上でございます。
【佐藤委員長】ありがとうございました。
それでは、早速、審議事項の1、新国立競技場基本構想国際デザイン競技の審査結果に
ついてご協議を申し上げたいと存じます。
先ほど申し上げましたとおり、世界各国から46点の応募があり、審査委員会におきま
して10月16日に一次審査、11月7日に二次審査が行われたわけでございます。本日はこの審査委員会において選定をされました最優秀候補作品3点につきまして、最優秀賞、優秀賞、入選にかかるご審議をいただき、3賞の決定をいたしたいと存じております。お手元にはこれらの作品を資料1として、また、審査の講評資料を資料2として配付をさせ
ていただいてございます。
それでは、資料をごらんいただきながら、審査委員会の委員長を務めていただきました
安藤委員から、審査の結果の報告と講評をお願い申し上げたいと存じます。よろしくお願
いいたします。
(編注:黒塗りにされていた部分にオレンジ色を付け、削除されていた部分を黄色にしている)
【安藤座長】今、説明にありましたように、46点の中から何段階かに分けまして、ちょうど3点を残しながら、最優秀賞、優秀賞、入選案というのを決めさせていただきました。
46点の中でかなり難しいけれども新しい提案のあるものもありましたけれども、この3点におきましては、現実的に一番大きな問題は2019年を目指してスケジュールがいけるかどうか。そして技術的な問題とコスト的な問題と機能がうまく重なり合うことができるかどうかということの検討をいたしました。
まず、最優秀案から見ていただきたいと思っております。この最優秀案はザハ・ハディドというイギリスに在住するイラクの建築家です。女性の建築家です。この建築をまず見ていただきますと、直感的におわかりになるだろうというふうに思いますが、スポーツに必要な、大変躍動感のある形をしているのではないかと思われると思いますが、まず、この流線型の形をした躍動感のある建築は、都市の中でスポーツを行うという意味では大変イメージがいいのではないかというふうに思いました。
同時に、大変大きな建造物なのですけれども、構造をどのようにつくり上げていくかということと、内部でスポーツをするということにおける内部空間との関係も非常にうまくいっているのではないかというふうに思いました。
また、同時に、この建築は全体の都市との関係から言いますと、都市のシンボルとして日本の国が21世紀、ちようど1964年のオリンピックのときに、今の代々木の体育館を見て多くの人たちが驚きますが、世界中の人たちが日本の国はすごいと。あの国は1945年の敗戦の後、これだけのものを立ち上げてきたんだということについて感動したわけでありますけれども、現在の日本というのは少し沈滞をしておりますけれども、この中でこの建物をつくることによって、1964年のオリンピックのころのような、いわゆる躍動感あふれる日本の国を表現できるのではないかということを考えまして、この案にいたしましたけれども、この祝祭性といいますか、お祭りの中で、世界中の人たちがこのスタジアムでぜひ競技をしてみたいと思う、世界中の人たちがぜひ行ってみたいと思う空間としては一番いいのではないかというふうに思いました。
同時に、この建築はかなりスケールが大きいのと同時に、技術的な問題(※)もたくさんあります。そのような問題(※)を解決できるのは日本の国の土木建築技術力でしかなかなかつくり得ないようなところがたくさんありまして、そういう意味では日本の建築技術、土木技術、そして日本の技術力というものを世界にアピールするという意味でも非常に、これをつくり上げていくということになれば、日本の多くの国民の人たちもこれに心から参加できるのではないかというようなことも、これを選定した理由であります。
同時に、例えば太陽光の問題であるとか、自然光の問題であるとか、地中のエネルギーの問題とかいうようなことを含めて、それを利用するという意味では、今までになかった建築のエネルギーの問題も解決できるのではないかというようなことも含めて最優秀案にいたしました。この点につきましては、かなり討議はありましたけれども全員一致で、このすばらしい案を押していこうではないかということで決定をいたしました。
これは、遠くから見たところで、これは内部空間でありますけれども、これならば芝もうまくいくだろうと。開閉の技術もうまくいくだろうと。しかし、問題(※)はたくさんあります。これだけ大きなスケールのものを世界中はつくったことがありませんので、この技術はこれから設計者と、同時に基本設計者、実施設計者を選びますけれども、これは入札によって選ばれるわけですが、その人たちとのしっかりしたコミュニケーションの中でつくり上げていかなければならないというふうに思っています。
これは全部オープンですね。こういう感じで。
優秀案には、コックスというオーストラリアの建築グループが選ばれたのですけれども、遠くから見るとかなり巨大なものでありますけれども、透明感のある、具体性に富んだ、この建築は具体的に機能性と建築技術的な問題と、実現性においては非常に大変高いのではないかと。今回においては最優秀案よりも具体性ではこちらのほうが高いのですけれども、我々はスポーツというのは挑戦すると、可能性に挑戦するという意味では最優秀案のほうが、それに日本の技術者が立ち向かっていくという意味ではいいのではないかというので最優秀案にはしませんでした。そして、この実現性のある、ある面では臨場感もありますし、屋上庭園等も含めて大変魅力的な案がたくさん織り込まれています。また、ホスピタリティの問題等も提案がありまして、ある意味では国立競技場としては問題ないというふうに思いましたけれども、こちらよりも最優秀案のほうが大変魅力的であるという意味で最優秀案を選びました。
これは内部ですね。
同時に、最優秀案も優秀案も、いわゆる開閉式でありますので、このあたりが大変これから解決していかなければいけない問題(※)がたくさんあるというふうに思います。
入選案は、最優秀案と同時に珍しく女性でありまして、これはSANAAという、妹島和世さんという日本の女性と日建設計の案でありますけれども、ここでも非常に、いわゆる流れのある、そして都市になじむ、ある面ではこの案は一つ、都市空間の中のなじみとしてはうまくいくのではないかと思いましたけれども、ダイナミック性とか力強さという意味では最優秀案のほうがよかったのではないかということで最優秀案にしましたけれども、この案もなかなか新しい時代の新しい形の建築なのではないかと思いました。
大変、曲面を多用しながらリズミカルな建築になっています。そして、軽々とした屋根が大変魅力的で、大変特徴的なんですけれども、この特徴的で魅力的な屋根が、ひょっとして競技場として、人々の意識を真ん中、いわゆる競技をしている人たちに集中できないのではないかと言う人たちもたくさんいました。私もそのように思いました。そういう面で、都市的には大変魅力があるけれども、競技場としてどうなんだろうかという疑問がありまして、最優秀案のほうに点数が行きました。また、この曲面は、屋根の仕上げ、屋根の構造等についても無理があるのではないかということと、開閉式ということを考えてみますと、この曲面の中にあの大きな屋根をすっぽりうまくおさめ込めるのかなというような疑問がたくさんありましたけれども、全体的に設備の問題、構造の問題、そしてあらゆる新しい提案においては大変緻密に計画をされているように思いましたけれども、最優秀案には追いつかなかったというように思います。
全体的にこのような形で最優秀案、優秀案、そして入選案を決めさせていただきましたけれども、これからこれを基本設計をし、そして実施設計をし、工事が始まるまでは難問が幾つか出てくるだろうというふうに思いますけれども、このあたりを委員会の人たち、そして基本設計をする人たち、実施設計をする人たちと徹底的に討論をしながら進めていきたいというふうに考えております。
ありがとうございました。
【佐藤委員長】安藤座長、ありがとうございました。
ただいまの審査の講評にもございましたけれども、審査の過程で多くのご議論もございましたようですし、また、実現に向けて幾つかの課題を克服する必要もあろうかと存じます。ただ、我が国のテクノロジーを駆使したチャレンジになるということで、国家プロジェクトとしてふさわしい選定になったようには思ってございます。
それでは、ただいまの安藤座長のお話がございましたけれども、委員の皆様から少しずつご意見をいただきたいと存じますが、まず、審査委員会に参加をしていただきました、スポーツ利活用の小倉座長からまず一言お願いをいたします。
【小倉座長】小倉でございます。今、安藤審査委員長がご説明されたとおりでして、委員会として非常に真剣な議論が行われ、その中で最終的には日本を元気づけるデザインはこれしかないというふうな結論になったわけです。
スポーツのほうの側としては、いろいろな競技団体のご意見も伺って、この中で生かせるというふうな結論になっておりまして、ただ、これから基本設計並びに実施設計の段階で、芝の管理であるとか、問題についてはこれからよく詰めていくということになっております。いわゆる最終案は審査員みんなの共通の最優秀であったかと思います。
【佐藤委員長】ありがとうございました。
続きまして、文化の利活用の座長、都倉先生からお願いいたします。
【都倉座長】小倉座長とあまり変わった意見ではないのですけれども、私個人としてこの建物に票を入れたのは、やはり何といってもこの圧倒的な存在感と、そして神宮の森にそびえ立ったときのこの美しさというものが、やはりこの国立競技場は今の国立競技場と同じように50年間、100年間、使っていかなければいけない建物でございます。ある意味では日本のシンボルみたいな建物になるのではなかろうかということでございます。
ただ、小倉座長もおっしゃっていたように、これからが機能性という意味では、この建物、巨大な建物をスポーツと文化と両面でどういうふうに使っていくかと。使う上でどういう機能性を持たせるかということは、細部にこれから詰めていかなければいけない、技術的にも問題(※)がいろいろあるのではなかろうかと思いますが、安藤委員長の専門的なご意見でそれは可能であると。特に芝の育成、そしてコンサートとか催しものをするときに、その芝をいかに養生し、また大切に、それも経済的にできるかと、こういう問題がこれから検討材料としては残っておりますが、全体的にこのデザインに関して、この美しさに関しては審査委員会一致で選ばせていただいたというふうに思っております。
ありがとうございました。
【佐藤委員長】どうもありがとうございました。
では、引き続き、委員の皆様方から一言ずつご意見を頂戴したいと存じております。
【佐藤委員長】はい。それでは、日本体育協会の張会長、お願いをいたします。ご意見もございましたら。
【張委員】これ、見た目にはすばらしいので、こういうものがほんとうにできたらすごいなと、こういうふうに第一印象感じましたが、先ほどのご説明で、これ、日本の建築技術とか土木技術じゃなきやできないよと、こういうことでございますので、それだったらせひ、この絵に近いものをつくり上げていただきたいと。さっきのお話にも出ましたように、50年、100年、次の世代、次の次の世代の人たちが存分に利活用できるようになるっていうのは、これはすばらしいなと思います。
芝や何かのことは、私、もちろん専門ではございませんけれども、私どもの地元の豊田スタジアム、芝は何回も何回も研究しまして、今、相当いいものができましたので、やはり芝生も研究して、いろいろトライしてみるとやりようがあるんだなという、詳しいことはわかりませんが、そういうことを感じていますから、いろいろなところにある知恵っていうんでしょうか、経験を集めれば、うんといいものができてくるんじやないかと、こんなふうに思っております。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
【佐藤委員長】ありがとうございました。
では、続きまして、オリンピック招致の観点から竹田会長、お願いいたします。
【竹田委員】まず、この46の作品を精査されてここまでまとめてこられたJSC、そして安藤先生はじめ関係者の皆様のご苦労に心から敬意を表したいと思います。
私も46の作品を見せていただいた中で、印象に残っていたものは幾つかあるのですが、やはりこの最優賞というのは、その中でもほんとうに躍動感があって、斬新なデザインまた、インパクトが非常に強かったことを覚えておりました。
2020年、東京オリンピック招致がもし決まって、このスタジアムがメーンスタジアムとして世界に発信できたら、ほんとうにこのオリンピックのシンボルとしてすばらしいものになる。
それから、安藤先生のお話を伺って、これをつくり上げる技術がまさに日本の土木あるいは建築の技術でなければできないということをお伺いして、また、まさに最優秀賞を現実的にできたらすばらしいなということを感じました。
また、優秀賞、そして入選もすばらしいデザインだと思いますが、この最優秀賞はこの中でも飛び抜けているなという印象をいただきました。
どうもありがとうございます。
【佐藤委員長】ありがとうございます。
続きまして、アンチ・ドーピング機構の鈴木会長、お願いいたします。
【鈴木(秀)委員】まず初めに、この大変すばらしいご選考をいただきましたことに感謝申し上げます。個人的でございますけれども、46、私も実際に拝見させていただきまして、やはりこれが一番印象に残っておりまして、まさにそれと一致して、すばらしいなというふうに感じた次第でございます。
先ほど、スポーツの躍動感、それから新たな技術の挑戦ということがございました。この新しい施設ということでございますので、ぜひとも我々のアンチ・ドーピングのような新しい分野、これらも含めた新しい施設をつくっていっていただければと思います。
ありがとうございました。
【佐藤委員長】ありがとうございます。次にラグビーの観点も含めまして、前日本体育協会会長、森先生からご意見を頂戴したいと存じます。
【森委員】全体としては、皆さんのおっしやるとおりです。ただ、この全体像46点見たときもそうですが、これもそうですが、正直言うと、神宮のところに宇宙から何かがおりてきたっていう感じなのです。これ、ほんとうにマッチするのかなという。これはその次の入選作、SANAA+Nikken、これもそうなんで、これ見ていると、神宮の森にカキフライのフライのないカキか、生ガキがいるっていう感じがして、私は専門家じゃないからわからないので、極めて庶民的な感覚で、これ、合うかなっていう感じをちょっと持ちました。これは色とか何とかでカバーするのか。ならわかるのだけど、こっちは宇宙から来た何かで、こっちはカキフライのフライになる前の感じで、このあたりがちょっと違和感を、正直に言えといえばそうなります。
それから、これは小倉さんも同じだろうと思うんだが、この1番の方、最優秀もそうだし、その次の方も、この絵、両方見ていると、せっかく臨場感あふれるサッカーやラグビーをぐっと近づけて見るという、この可動式であるけれど、それにしては随分遊びが多いなと。フィールドの周り、ものすごく遊びが多いでしょう。これだったらあんまり、臨場感がないのではないかと。
【小倉座長】その横、図面から、広い面、長い面は完全に可動の仕組みがおりるように設計されているのです。で、ゴール裏のところだけがまだ、完成していないのです。
【森委員】じゃあ、これはもっと近くなるっていうことですね。
【小倉座長】そういうことですね。ですから、今、この中で意見が出ましたのは、ゴール裏の可動部分が十分計算されていないので、基本設計の段階でここの部分に可動席を
入れるというふうな形で臨場感を出すということになっています。
【森委員】これはこれから設計でされるのだろうと思いますが、せっかくここをなさるんですから、僕らにとって一番関心のあるところは実はここなのです。目の前で見えるというのが一番いいのでね、これはぜひ。だから、そういう意味じや、このコックスさんの、絵だけ見ればコックスのほうがくっと近づいているという感じはいたしますので、その点だけであります。
以下、ほんとうにたくさんの中からよくお選びになって、私も全部見ましたけど、どうやって選ぶんだろうと思って、頭を痛めて見ておりましたが、そのことについてご労苦に感謝をします。
【佐藤委員長】貴重なご意見は記録をさせていただきまして、ご注意を今後の参考にさせていただきたいと存じます。
今日は代理のご出席でございますが、知事の代理の秋山様、お願いいたします。
【石原委員代理(秋山)】私は代理でございますので、直接、委員である石原慎太郎に確認をいたしましたところ、審査委員長の安藤先生に一任をしたいということで意思決定をいただいております。よろしくお願いいたします。
【佐藤委員長】では、河野先生の代理の尾懸様。
【河野委員代理(尾懸)】同様でございまして、河野会長から一任をあずかってまいりました。
感想としましては、ほんとうにオリジナリティーが高く、流れるようなフォルムで、記録を後押ししてくれるような気がいたします。
以上でございます。
【佐藤委員長】ありがとうございました。
それでは、伍藤副会長。
【鳥原委員代理(伍藤)】素人ですが、この躍動感と同時に、この最優秀作、女性的というか、優美で、優しそうな感じも受けますが、私どもパラリンピックの側からいたしますと、ロンドンで高まったパラリンピックの存在をさらに強める、非常にアクセシブルというか、みんなを受け入れやすいような施設に、これから中身を検討していただければありがたいなと思っております。
【佐藤委員長】ありがとうございます。
奥田様。
【鈴木(寛)委員代理(奥田)】ご一任ということの伝言を預かっておりますので、よろしくどうぞ。
【佐藤委員長】ありがとうございます。
一通りご意見を出していただきましたが、他にこの際、ご意見はございませんでしょうか。
よろしければ、審議事項の1につきまして、本会議として審査委員会の審査結果どおりに最優秀賞はザハ・ハディド・アーキテクト、優秀賞はコックス・アーキテクチャー ピーティーワイ エルティディ、入選は有限会社SANAA事務所+株式会社日建設計ということで本会議として決定をするということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
【佐藤委員長】ありがとうございました。それでは、そのように決定をさせていただきます。
(後段略)
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