これでは新国立競技場問題の検証になっていない

さる9月24日のことですが、新国立競技場整備計画経緯検証委員会(第4回)の報告書なるものが発表されました。

さる9月24日のことですが、

新国立競技場整備計画経緯検証委員会(第4回)の報告書なるものが発表されました。

これ読みまして、

う~ん、、なんていうか、、感想というか、結論ですが、

「これじゃ検証になっていないよね。」

です。

この報告書の根本的問題を指摘しておきましょう。それは文体です。

検証委員会の書き方は大体においてこういう書き方をしています。

「~は~すべきところをしていなかった」

(検証委員会としての見解は)~さんは、こうするべきだったのに、(なんらかの理由により)出来なかったんだよ。

これでは倒置法で当事者の代弁となる。

先生が生徒の代わりに言い訳してあげているような構造

やむを得ない自然現象的な天災さあったがごとき印象操作。

検証委員会と名打つなら、まず文体はこうであらねばならない。

「~は~を怠っていた。」とまず記述し、

その原因は、と書くべきなんです。

中学受験に失敗した生徒に、後から来た家庭教師の先生が

A君は、12月にもっと勉強するべきところをしていなかった。

B君は、算数のドリルを5章までやっとくべきところをしていなかった。

ではダメでしょう。

A君は、年末の勉強を怠っていた。

その理由は冬休みにゲーム三昧だったからだ。

B君は、算数ドリルを途中で投げ出した。

その理由は2章の割合のところが分からなかったのに、ちゃんと先生に言わなかったからだ。

と、して反省と対策を考えていないと、検証の目的として掲げてある「~検証結果を新たな整備計画の実施及び実施体制に反映させること。~」は出来ないと思いますよ。

「やるべきことをやっていなかった」とか

「やろうと思えば出来た子なのに」とか

「この子はまだ本気出してないだけ」とか

の検証ではまた受験に失敗する。

以下、順次理由を述べますが

まず発表された資料は以下のように並んでおります。

上から順に1、2、3、と番号を振ると、この中で重要なのは1.と4.です。

2.はこの検証委員会の前提とか裏付け、これまで新国立計画中に発表された資料関係を集めたもの

3.は1.をわかりやすく表にしたまとめ

5.は出来事を日付準に羅列した日記帳みたいなもの

6.は費用の変遷をわかりやすく表にしたまとめ

1.は全部で61ページもありますから、最初の10ページくらいすっ飛ばしていいです。

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最初に出て来る重要な資料は11ページ目にある新国立競技場整備計画に関わる主な関係者・関係機関という図です。

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この上記仕組みがこの問題の機構を示しています。

車でいえばシャーシとか燃料とかボディとか電気系統のつながりです。

で、この問題の動力、エンジンが赤い部分です。

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車の機構とエンジンは明記されていますが、一体この車を操縦していたのは誰だったんでしょうか?

それとも操縦者の居ない状態でアクセルを踏み込んでいた?

で、事故った?

新国立競技場問題は、やむを得ない自然災害ではないんです。

明らかに人災なわけですから、ここでどのように検証するかしないかで再発を防げるかどうかが決まるのです。

続きはまた後ほど

(2015年9月26日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)