新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について (1)

新国立競技場の建設コンペついて、さまざまな視点から見直しだとか、いろいろと意見が飛び交っているようなのですが、肝心のザハのデザイン案について、やれ大きいだの、予算がだの、景観がだの、と問題の周辺を採りあげているだけのような気がするのですね。
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新国立競技場の建設コンペの実施についていろいろな議論が巻き起こっているようです。

この件について、さまざまな視点から見直しだとか、いろいろと意見が飛び交っているようなのですが、肝心のザハのデザイン案について、やれ大きいだの、予算がだの、景観がだの、と問題の周辺を採りあげているだけのような気がするのですね。

そもそも、なぜザハが選ばれてしまったのだろう、、という部分。

なぜ、候補の建築家がいつのまにか決まっていたのだろう、、というところ。

そして、百歩譲ってこの提案がどのように優れていて選ばれたのか、、

その辺を誰も解説していないので、

私なりに出来るだけわかりやすく、この提案が選ばれるに至ったであろうプロセスとこの提案に疑義を申し立てざる得えない人たちの意図について解説していきたいと思います。

各紙の記事

東京:「神宮の森 美観壊す」 20年五輪 新国立競技場巨大すぎる(リンク切れ)

肝心の予算もオーバーしているとか記事になっていますね。

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まあ、ザハだしな、、、というのが素直な感想です。

「ザハだしな、、」と言っても、建築に詳しくない方からすると、どういうこと? 建築コンペって募集条件に用途や機能や条件などを付してるんだから当然予算条件もあって、それを多少はオーバーしても調整できるのでは? と思われるでしょうね。

普通はそうなんですが、、、、ザハは違うんです。

ザハはねえ、コンペ応募して提案が評価されたけど予算が合わないっていうのは、まあ、毎度のことなんです。

それでも、この10年くらいは予算問題だけで済むようになった。

以前は、技術的にも構造的にも不可能な提案をしてしまってコンペで最優秀案になり実現しようとしたけど、、

いざ、実現しようとしたら、壁もない柱もない、部材が宙に浮いている、ねじ曲がっている、

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「これ、、、どうやって作るんだよ!」

ってなってしまうような不可思議な提案を平気で出していた。

で、施主や施工会社に怒られても、なだめられても

「どうしても、これが創りたいのよ!!プギャー&%'()WSHk!」

てってゆずらない!妥協しない。

妥協しようにもどこから手を付けていいか周囲も本人もわからない。

それくらいぶっ飛んだ計画案を構想できる真に前衛的な建築家なんです。

報道等では、イギリスの建築家、ザハ・ハディドさんと言われていると思いますが

ザハさんは、もともとイラクの人なんです。

イラクの裕福な家庭に生まれ、お父様は政治家であったと、イスラム圏ではかなりリベラルな家庭でインターナショナルな教育を受けられていた方です。

しかしながらイラクの政変により、家族ともどもイギリスに移住し

以降一度もイラクに帰っていないと聞きます。

昔の写真なんかでは、まさにアラブのお姫様って感じのモデル張りの美人です。

で、大学では当初は数学を専攻されていたみたいで、容姿端麗頭脳明晰な方だったようです。

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その後、ロンドンのインディーズ系建築芸術学校AAスクールで建築を学ばれた。

特筆すべきはそのときに、当時まだ無名に近いレム・コールハースさんという、今では現代を代表する前衛的建築家のスタジオに居たことでしょう。

通常英語ではZaha Hadidと表記されていますがアラビア語表記では  زها حديد と書きます、アラビア語風に読むと、「ザハラ ハーディード」っていう感じが近いでしょうか

「ザハ」って語感でそのまま聞くと、何かジオンの新型モビルスーツみたいな印象ですがザハラとはアラビア語で「花」のことです。

ハーディードの方の意味は「鉄」です。

ザハ・ハディドさんを日本語で超訳すると

鉄本花子さん、とか、鉄はくろがねともいいますから

ザハ・ハディドっていう名前のイメージに近いのは黒鉄花子かな。

「鉄の女花子」です。

で、この鉄の女花子がデザインした新国立競技場の設計案が、

今、問題になってしまっているわけですが、

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ザハって人は現代建築のジャンルでは今、もっとも乗りに乗っている

脂がのりきっている、むしろ脂がのり過ぎている、今が旬の人でもあるのです。

つづけます。

(2013年10月21日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)