2520億円という巨額の建設費をめぐって白紙撤回になった、新国立競技場の問題で、政府は8月14日、白紙見直し後のプランの基本方針を発表した。遠藤利明五輪相を議長とする関係閣僚会議で決定した。
会議資料によれば、8つの項目にまとめられた基本方針は以下のとおり。
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(1)「アスリート第一」の考え方の下、世界の人々に感動を与える場とする。
(2)その大前提の下で、できる限りコストを抑制し、現実的にベストな計画を策定する。このため、以下の方向性で検討する。
・施設の機能は、原則として競技機能に限定
・屋根は観客席の上部のみ
・諸施設の水準は、オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとして適切に設定
(3)大会に間に合うよう、平成32年(2020年)春までに確実に完成させる。整備期間を極力圧縮するため、設計・施工を一貫して行う方式を採用する。
(4)アスリートや国民の声をよく聴き、計画の決定及び進捗のプロセスを透明化する。
(5)周辺地域の環境や景観等との調和を図るとともに、日本らしさに配慮する。
(6)バリアフリー、安全安心、防災機能、地球環境、大会後の維持管理等を十分考慮する。
(7)内閣全体として責任をもって整備を進める。独立行政法人日本スポーツ振興センターによる整備プロセスを当会議で点検し、着実な実行を確保するとともに、新たに専門家による審査体制を構築する。
(8)大会後は、スタジアムを核として、周辺地域の整備と調和のとれた民間事業への移行を図る。今後、政府において計画を踏まえて、ビジネスプランの公募に向けた検討を早急に開始する。
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政府は9月にも要件をまとめ、コンペを開催する予定。なお、工期を短縮するため、設計と施工をまとめて発注する「デザインビルド」方式を採用する。白紙見直し以前に問題になった、技術面の実現可能性やコストを精査するため、JSCに有識者7人からなる審査委員会を作るという。
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