【アメリカ大統領選】ニューハンプシャー州予備選の見どころは? 激戦を占う8つのシナリオ

2016年アメリカ大統領選挙は、2大政党の候補者指名争いの第2弾となる、ニューハンプシャー州の予備選が2月9日に実施される。
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Supporters cheer as Democratic presidential candidate Hillary Clinton speaks at the New Hampshire Democratic Party McIntyre-Shaheen 100 Club Celebration dinner Friday, Feb. 5, 2016, in Manchester, N.H. (AP Photo/Matt Rourke)
ASSOCIATED PRESS

2016年アメリカ大統領選挙は2月9日、2大政党の候補者指名争いの第2弾となるニューハンプシャー州の予備選が実施される。

ほとんどのアメリカ人にとって、NFLの「スーパーボウル」が開かれる2月の日曜日は楽しいお休みの日だ。一方、ニューハンプシャー州の予備選に備える大統領選の候補者と有権者にとっては、「注目を浴びる予備選の前日」、それ以上でもそれ以下でもない。

日曜日、ニューハンプシャー州マンチェスター。メリマック川に沿った小さな街のメインストリート・エルム通りは候補者や警備の車、代理人、陣営とプラカードを持った選挙ボランティアの叫び声でにぎやかだ。

予備選の結果は、どうなっても衝撃的な結果になるだろう。ニューハンプシャー州の有権者の4割近くは、まだ投票する候補者を決めていないという。それ以上に、彼らは州の「ブランド」、つまり予備選の結果が、彼らの予想もしない行動で大きく左右されるということを十分わかっている。

有権者の行動は、今回も予測できないだろう。

しかし2月9日夜の前に、ニューハンプシャー州の予備選と今後のことについて、すでにわかっていることがいくつかある。

■ヒラリー氏は特別代議員に頼らざるを得なくなる

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民主党のヒラリー・クリントン陣営は、アイオワ州以上の大量のスタッフをニューハンプシャー州に送り込んでいる。州のほぼ全域で猛攻をかけていて、バーニー・サンダースの陣営も驚くほどだ。その大攻勢は、これからのクリントン氏の戦いを象徴するものだ。指名争いはおそらく、資金潤沢なサンダース氏との長く苦しい戦いとなる。

クリントン氏はおそらく、大勢の「特別代議員」に頼るだろう。いや、確実に頼らざるをえなくなる。特別代議員は多くが党の要職にあり、予備選や党員集会の結果に縛られず、7月の全国党大会で投票する権利を持つ。バラク・オバマ氏にあと僅かのところで敗れた2008年にもクリントン氏はそうしようとしたが、「アフリカ系初の2大政党の大統領候補」へ大きな追い風を受けていたオバマ氏に、真っ向から挑んでも勝算はなかった。今回、クリントン氏にためらいはないだろう。

■投票者はハプニングを狙っている

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バーニー・サンダース氏

アイオワ州の党員集会の出席者は多かったし、ニューハンプシャー州予備選の投票者も非常に多くなるだろう。この傾向は今年1年を通じて続くことはほぼ確実だ。予備選に投票する人は、政府や政治にうんざりして馬鹿にしており、2016年の指名争いには興味を示さないだろうと言われてきた。そんなことはない。ドナルド・トランプ氏(共和党)とバーニー・サンダース氏(民主党)という、2人の型破りな候補がいる。2人は新しい、あるいは単なる思いつきで動く投票者を大量に呼び込んでいる。

■大きなイデオロギーの裂け目

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テッド・クルーズ氏

左派の民主社会主義者(サンダース氏)から現状肯定主義者(クリントン氏)まで、右派の聖書憲法学者(クルーズ氏)からテレビでおなじみ権威主義的独裁者(トランプ氏)まで、今回の指名争いは間違いなく、現代政治の中で最もイデオロギー的に幅が広い。地元選出のルー・ダレサンドロ上院議員は言う。「中間派はどこにいってしまったんだ?」

■技術の進歩が生み出した「ルビオボット」

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マルコ・ルビオ氏は2月7日、ABCテレビの候補者討論会で、見るも無残な姿をさらした。まだチャンスは残っているのかもしれないが、事前にプログラミングしたことを繰り返し喋るだけの「ロボット」というイメージを視聴者に焼き付けたことは確かだ。首都ワシントンを拠点とする共和党主流派がルビオ氏を支持できるかは、今後の挽回にかかっていると言えるだろう。

■ブッシュ、熊に追われて退場

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シェークスピア「冬物語」の有名な一節だが、ブッシュ一家にもそのまま当てはまる。ジェブ・ブッシュ氏自身や家族の宣伝というより、ひたすら他の候補の足を引っ張るのに熱心な候補というのが、ニューハンプシャーでの受け止め方だ。

■ルビオ氏を攻撃するだけでは勝てない

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共和党のクリス・クリスティー氏はABCの候補者討論会で、マルコ・ルビオ氏を徹底的に追い詰めた。この短気な候補はイケメンのルビオ氏をとりわけ憎らしく思っているようだ。しかし、ルビオ氏叩きに熱を上げても、クリスティー氏はブッシュ氏以上にネガティブな物言いだけでは勝てないというお手本のような例だ。特に、将来の見通しが暗いと投票者たちが思っている年は。

■トランプ氏は学んでいる

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トランプ氏は勝てないかもしれないし、もう後がないかもしれない。しかし彼は真の大統領候補になるために何が必要か、この比較的短い時間で多くを学んだ。トランプ氏はまだ、そしてこれからも、熱狂、あるいは怒り、人種差別、逆恨みといったすべての誇大妄想の受け皿になるだろう。しかしアイオワ州での敗北に対する冷静な反応と、ここニューハンプシャー州に大きな期待をかけていないことをみると、指名争いの極意を見いだしたのだろう。

■サンダース氏の熱狂的な支持者は仇にもなりうる

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2004年1月19日、アイオワ州で支持者を前に演説するディーン氏

2004年、アイオワ州の党員集会で、民主党のハワード・ディーン氏は今回のサンダース氏のように、政治の金権腐敗と戦う非主流の改革派だった。サンダース氏のように、アメリカ中に若いボランティアを動員した。ボランティアは「ディーンを大統領に」と書かれたオレンジ色のスキー帽をかぶり、州全土に送り込まれた。党員集会が開かれる部屋で、地元の党員を圧倒するためだった。しかし、ディーン陣営は群衆の熱狂をコントロールできなかった。同じことはサンダース氏にも一部言える。

■高齢であることは不利にならない

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トランプ氏は69歳、サンダース氏は74歳、クリントン氏は68歳。「新世代」が常にアメリカ政治の勝者になるというジンクスは今回当てはまらない。最も人気の選挙CMはサイモン&ガーファンクルの歌がバックで流れるものだ。だから戦後生まれのベビーブーム世代が最後の最後でアメリカを救うか、あるいはこれまで同様、アメリカにさらに多くのダメージを与える世代となるだろう。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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