パンダフィーバーが、オランダでも始まろうとしている。4月12日、中国からやって来た2頭のパンダが、ユトレヒトのアウエハンツ動物園に到着した。
アウエハンツ動物園のウェブサイトによると、同園は16年前からパンダのつがいの飼育を中国に求めており、今回ついに念願叶ってその許可が中国政府から下りたそうだ。
パンダを海外の国に贈るという中国のプログラムは、「パンダ外交」と呼ばれることがある。今回の2頭のパンダも、言わば外交官なのだ。
今回のパンダ飼育に関する協定は2015年10月に合意していたが、動物園の施設の調査が終わる3月まで中国政府は正式な許可を出していなかった。
パンダを受け入れたアウエハンツ動物園によると、2頭はオランダでの最初の夜を落ち着いて過ごすことができたようだ。
2頭は数週間の検疫を受ける必要があるが、その後は快適な環境で暮らせるようになるとのことだ。
オランダで検疫を受ける2頭のパンダのうちの1頭。
今回飼育されることになった「シン・ヤ」と「ウー・ウェン」は、オランダが約8億円かけて建設した伝統的な中国様式の飼育施設で暮らすことができる非常にラッキーなパンダたちだ。
ダッチ・ニュースによると、このパンダたちがオランダで過ごす15年間で、2頭の間に赤ちゃんが生まれることが期待されている。
パンダの妊娠は一大事で、極めて貴重なものだ。パンダをロゴに使っているWWF(世界自然保護基金)によると、クマは2年ごとに子供を産むことができるが、それはあくまでも順調にいった場合に限るという。そして、雌のパンダは3月から5月の発情期の間にたった一度しか排卵しない。
「中国政府はこの30年間、必死にパンダの繁殖に取り組んできました。中国は何としても、パンダを絶滅させたくないのです」と国際環境NGO「コンサベーション・インターナショナル」上級研究員M・サンジャヤン氏はナショナルジオグラフィックに話した。
赤ちゃんパンダは可愛いだけではなく、種としてのパンダを存続させるためにも非常に重要な存在だ。野生動物保護のシンボルとして世界的に認識されているパンダは、保護の甲斐もあって2016年9月に絶滅危惧種のリストから解除された。
できることならば、この非常に豪華な施設で2頭のパンダが交配を始め、「シン・ヤ」と「ウー・ウェン」の間に可愛くて元気な赤ちゃんが生まれてほしい。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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