各党代表者の「国民へのメッセージ」 ネット党首討論会(2013年6月28日)全文書き起こし (1/4)

参議院議員選挙(2013年7月4日公示・21日投開票)に先駆けた6月28日夜、東京・六本木のニコファーレで主要政党の代表者が集まった「ネット党首討論会」が開催された。このニュースでは本討論会の内容のうち、オープニング~「国民に向けてメッセージ」をテーマとした討論を全文書き起こして紹介する。
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時事通信社

ネット党首討論会(2013年6月28日)全文書き起こし(1/4) オープニング~テーマ「国民へのメッセージ」

参議院議員選挙(2013年7月4日公示・21日投開票)に先駆けた6月28日夜、東京・六本木のニコファーレで主要政党の代表者が集まった「ネット党首討論会」が開催された。

登壇者は以下の通り(※国会の議席数順)。

自由民主党 安倍晋三 総裁

民主党 海江田万里 代表

日本維新の会 橋下徹 代表

公明党 山口那津男 代表

みんなの党 渡辺喜美 代表

生活の党 小沢一郎 代表

日本共産党 志位和夫 委員長

社会民主党 福島みずほ 党首

みどりの風 谷岡郁子 代表

このニュースでは本討論会の内容のうち、オープニング~「国民に向けてのメッセージ」をテーマとした討論を全文書き起こして紹介する。(発言者敬称略)

・[ニコニコ生放送]ネット党首討論会・「国民に向けてのメッセージ」から視聴 - 会員登録が必要

司会・角谷浩一(以下、角谷):皆さん、こんばんは、コネクターの角谷浩一です。今年はネット選挙解禁の年ということで、ニコニコ動画でも様々な選挙に向けた準備をして参りました。その先駆けとなるような形で、今回、ネットの党首討論を開かせていただこうと思っております。

今日の閣議決定で、参議院選挙が来月の4日公示、21日投開票ということが決まりました。さて、この参議院選挙で、日本の行方、これからの日本はどうなって行くのか。できるだけ時間の許す限り、今日は各党党首の皆さんにお話を伺いたいと思っております。

さて、ネットでこの党首討論を見ている皆さん、見てますか~!?(コメントを見ながら)こんな風に書き込みがありますけど、ネクタニというのは、私がよくネクタイが曲がっているからネクタニと言うんですが、こんな風にたくさんの人が中継を見ているということです。

ネット選挙解禁ということで、ニコニコ動画らしく、私どものユーザーの質問にできるだけ党首に答えて欲しいと。たくさんの質問をいただきました。それをルールにのっとって、限られた時間になりますので、大変短い答弁になりますけれども、どうかご協力いただいて、皆様の話ができるだけたくさんの人に聞いていただけるように、党首の皆さん、どうぞよろしくお願い致します。

さて、討論に移る前に、各党首の皆さんに一言ずつ、国民に向けてのメッセージをいただこうと思っております。お時間はお一人あたり1分間でございます。時間がすぎると、画面上にカウントダウンが出ておりますので、それが合図になります。それが出ましたらお話の途中でもやめていただくということでございますので、どうかご協力いただきたいと思います。

それでは「みどりの風」代表の谷岡さんから時計回りで行きたいと思います。どうぞお願いします。

■みどりの風による「国民に向けてのメッセージ」

みどりの風・谷岡:「みどりの風」は格差の小さな共生社会を目指しています。様々な格差に対して、あらゆる手段を講じなければならないと考えております。とりわけ私達が注目したいのは、若者と高齢者の格差「世代間格差」というものと、そして男女の格差です。

 私達の親が家を持て、私達がマンションを持てているのに、今の若者はそうじゃない。若者の年収をアップしなければならないということを強く感じます。そして、学生ローンの地獄から若者達を救済しなければならない。20代、30代の若者の年収をアップするということが、今、一番求められていることであり、そして男女の格差を縮めなければならない。女性と若者が生き生きとした日本を作って、そして活力になるような豊かな国を作っていきたい。それが私達の目指すところです。

■日本共産党による「国民に向けてのメッセージ」

日本共産党・志位:私達は特に3つの点を訴えたいと思います。第一は国民の所得を増やして景気回復を図るということです。そのために大企業が抱えている260兆円の内部留保の一部を活用して、賃上げと非正規社員の正社員化を図り、景気回復の突破口を図りたいと思います。消費税増税には断固反対です。

第二は、原発ゼロの日本を作りたいということです。原因の究明もされていない、事故の収束もされていない。15万人という方が避難されているもとでの、再稼働や原発の輸出は論外です。再生可能エネルギーへの抜本的な転換が必要です。

そして、第三は日本国憲法を守り、生かしたい。9条を変えて戦争をする国に作り替えることは断固反対です。そして96条を変えて改憲のハードルを下げることにも、私達は反対です。9条を生かした平和日本を作りたい。どんな問題でも自民党と対決し、抜本的対案を掲げて頑張りたいと思います。

■みんなの党による「国民に向けてのメッセージ」

みんなの党・渡辺:この20年間、日本が右肩下がりの下がりっぱなしになってしまったのは、国家経営の失敗だったんですね。まともな国家経営、それは名目4%以上の成長を達成すること。これが基本であります。

アベノミクスが大胆な金融緩和をお取りになったのは、大変結構だったと思います。問題は、3%成長という民主党時代に決めた目標を未だに引きずっていることなんですね。我々は普通の先進国同様、実質2%、名目4%成長(を訴えています)。これだと増税の必要は全くなります。

そういうまともな国家経営をやっていくには「戦う規制改革」が必要であります。既得権3分野である電力、農業、医療。こういう分野に切り込んでこそ、日本の真の成長があります。

■自民党による「国民に向けてのメッセージ」

自民党・安倍:このニコファーレから皆様とお話をするのは約7カ月ぶりです。昨年の総選挙も、ここからスタートしました。長引くデフレ、低迷する経済、教育の危機が叫ばれ、復興は進まない。そして、日本の主権に関わる度重なる挑戦。「何とかしてほしい」。日本を取り戻す戦いを始めました。

皆様の力に押されて、我々は政権に復帰し、次元の異なる三本の矢の政策によって日本を覆っていた空気は大きく変わりました。たしかに昨年7月、8月、9月は、成長率マイナス3.6%から、今年の1月、2月、3月はプラス4.1%に大きく変わりました。皆様の力で政治は変わりました。皆様の力で経済も動きました。この夏の選挙、何としても勝って、ねじれを解消し、誇りある日本を取り戻したいと思います。

■民主党による「国民に向けてのメッセージ」

民主党・海江田:皆さん、こんばんは。民主党の海江田万里です。私達は今度の参院選挙「暮らしを守る力になる」というスローガンで戦います。安倍政権の経済政策、たしかに国民の期待感を膨らますことには成功しましたけれども、やはり働く人達の賃金が上がっていないという現状があります。働く人達の賃金が上がっていない中で、物価が高ければ、国民の生活は苦しくなる一方であります。

私達はこれまで日本を支えてくれた中間層を厚く豊かにする、これがやはり、持続可能な経済成長の一番の基礎になります。先だって発表しましたマニフェストの中では、「くらし」と「いのち」、そして「みらい」を守るということをうたっています。今日は是非限られた時間になりますが、私達の意見を聞いてください。

■公明党による「国民に向けてのメッセージ」

公明党・山口:山口那津男です。皆さん、こんばんは。連立政権の経済対策は、確実に実績を生みつつあると思います。しかし、実感できる経済回復にはまだ至っておりません。若い人達の力をもっと生かせるような成長戦略を進めていき、結果として若い人達の賃金が上がる、雇用が増えるという状況を作り出さなければならないと思います。それには実行できる政治の力が必要です。参議院選挙はまさに、そうした力をいただくお願いをする選挙になると思います。

その上で、この連立政権には国民目線で皆様の声を反映できる公明党のような存在が必要だと思います。小さな声を聞く力を持っている。生活者の心が分かる。平和を尊重する。こうした公明党の全国のネットワークを生かした姿勢が、連立政権には必要だと思っております。よろしくお願い致します。

■生活の党による「国民に向けてのメッセージ」

生活の党・小沢:「政治は国民の生活を守るためにある」。それが私達「生活の党」の基本理念であります。そこから見ますと、今日の政権の政策はことごとく、国民の生活を危険にさらしていると思います。物価高と消費税の増税、問答無用の原発再稼働、また地域と国民生活を破壊するTPPへの参加。そして国際的にも孤立を深め、日米関係も危うくしていると思います。

私達「生活の党」は、まさにその対極にあります。雇用の安定化と、消費税増税の凍結、また新しいエネルギーへの大転換、TPPとは異なる自由貿易の推進、国際協調の徹底、それにより国民の命と暮らしと地域を守っていきます。

■社会民主党による「国民に向けてのメッセージ」

社会民主党・福島:皆さん、こんばんは。社民党の福島みずほです。社民党は今度の参議院選挙を「強い国よりやさしい社会」をキャッチフレーズに戦います。「強い国」(とは何かというと)憲法改定、軍事大国になる国。そして原発推進、原発再稼働、原発輸出にひた走る国、そして1%の人達、大企業や大富裕層か利益を得る社会、これが強い国です。それではなく「やさしい社会」を作ります。

「やさしい社会」とは安心して子どもを産み育て、働き続け、安心して年をとることができる社会です。若者と女性を応援します。最低時給1000円以上を確保し、そして均等待遇を実現します。ブラック企業の根絶、氏名の公表をやります。そして長時間労働の規制をし、過労死防止法案をつくります。

■日本維新の会による「国民に向けてのメッセージ」

角谷:はい、有り難うございました。本日、欠席となりました「日本維新の会」の橋下徹代表からもメッセージを頂いております。ここで私が代読いたします。

「日本維新の会・共同代表の橋下徹です。本日の党首討論会には是非とも参加したかったのですが、大阪市の委員会出席のため急きょ欠席することとなりました。

私が本日、国民の皆様にお伝えしたかったことは、日本維新の会は、批判を恐れずに突き進む政党。選挙目当てで物を言わない政党であるということです。

高度経済成長時代を支えてきた社会システムのあらゆる物は疲弊し、既得権化しております。日本の競争力を高めると同時に税を公平に配分するには、改革を断行するほかありません。しかし、改革には必ず自らの既得権を守りたい勢力が猛抵抗します。改革は戦いです。反対勢力からの批判を恐れ、選挙を恐れていては改革を断行できません。日本維新の会は批判を恐れず、選挙を恐れず、今の日本にとって必要な改革を断行します。改革は、既得権に支配された政党には絶対にできません。抵抗勢力と戦い、日本の未来を切り開くことができるのは、しがらみのない、そして批判や反論から逃げない日本維新の会だけです」

以上、「日本維新の会」の橋下徹代表の国民へのメッセージを代読させていただきました。

・ネット党首討論会(2013年6月28日)全文書き起こし(2/4)

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・ネット選挙参院選2013 - 特設ページ

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