『特務機関NERV防災アプリ』が配信開始。「災害は使徒と同じ」 気象庁もコメント

元ネタは人気アニメ「エヴァンゲリオン」。東日本大震災の教訓から災害情報をTwitterで配信していたが、満を持してアプリをリリース。
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特務機関NERV防災アプリ(ゲヒルン社のプレスリリースより)
gehirn.co.jp

「防災の日」の9月1日、ITベンチャーのゲヒルン株式会社が「特務機関NERV防災アプリ」の提供を開始した。ユーザーの住んでいる地域に合わせた防災情報を即時配信する防災用スマホ向けアプリだ。

当初はIPhoneなどで使われるiOS版のみだが、Android版も後日提供予定だという。

これまでTwitterの同名アカウントで災害情報を配信してきた実績を生かして、アプリの配信をすることになる。

 

■Twitterで防災情報を通知する「特務機関NERV」とは?

ゲヒルン社の代表取締役は宮城県石巻市出身の石森大貴さんだ。

石森さんは災害情報を配信する「特務機関NERV(ネルフ)」のTwitterアカウントを2010年から運営中。その速報性や情報の確かさが人気となり、2019年8月現在は75万人以上のフォロワーを獲得している。

筑波大学に在学中、東日本大震災で実家が全壊。親戚や友人を多く亡くした。このことで、災害情報の配信に一層力を入れることになったと、AERAのインタビューに語っている

「あのとき、“逃げて”という言葉が大切な人に届かなかった。次の災害が起こったときには、誰も亡くしたくない。NERVのツイートは、“逃げて!”という僕の思いです」

特務機関NERVという名称は、人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズに登場する秘密組織から取った。作中で「特務機関NERV」が、使徒と呼ばれる謎の生命体に対処する際に、襲来を知らせる警報を発令することがモチーフになったという。

作品とは無関係だが、アニメの著作権管理会社から「非営利であり、社会的に意義のある活動」ということで、使用許可を得ているという。

 

■気象庁もアプリに協力。災害について「使徒と同じように、いつも違った形で突然やってきます」

 今回、配信が始まった「特務機関NERV防災アプリ」は、地震・津波・噴火・特別警報の速報や洪水や土砂災害といった防災気象情報を、利用者の現在地や登録地点に基づいて配信するという。

提供する防災気象情報は、気象庁と接続した専用線からダイレクトに受け取ることで情報の信頼性を担保し、「国内最速レベルの情報配信を実現」したという。

ゲヒルン社のプレスリリースの中で、気象庁は以下のようにコメントを寄せている。

「災害をもたらす現象は、使徒と同じように、いつも違った形で突然やってきます。このアプリは、そんな緊急時に、みなさまの避難の判断をしっかりと支援してくれるアプリです」