ネパールが"第3の性"を認めるパスポートを発行 性別欄に「O」

8月10日、ネパール政府は、性別欄が「男性」でも「女性」でもない「O」と記載されたパスポートを発行した。
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Getty
Nepalese transgender and the first recipient of a Nepalese transgender passport, Monica Shahi from Kailali district displays her new passport with 'O' for other in the document's gender section, in Kathmandu on August 10, 2015. Nepal handed over its first transgender passport on August 10, no longer restricting the country's third gender population to describe themselves as male or female in their travel documents. AFP PHOTO/ Prakash MATHEMA (Photo credit should read PRAKASH MATHEMA/AFP/Getty Images)

ネパール政府は8月10日、性的マイノリティのために「第3の性別」を設けたパスポートを初めて発給した。

このパスポートでは、性別欄は「O」と記載されている。この性別欄「O」パスポートを最初に受け取ったネパール人は、トランスジェンダーの人権活動家、モニカ・シャヒ氏だ。

「これはとても歓迎すべき出来事です。ネパールの性的マイノリティすべてが、自分自身を認めてもらうための、とても大きな第一歩といえるでしょう」と、ネパールの英字新聞ヒマラヤン・タイムズ紙にシャヒ氏は語っている。

自分を「男性」とも「女性」とも区分されたくない人たちのために、性別欄を「Other(その他)」の頭文字である「O」と記載したパスポートを発給することを、ネパール政府は2015年1月に発表していた。

これは、2007年のネパール最高裁判所の判決を受けたものだ。タイム誌によれば、最高裁判所はネパール政府に対して、法律を改正して第3の性を設けることを命じたという。

ネパールはすでに「O」という性別区分を設けた市民証明書を発行しており、今回のパスポートを申請するためには、この性別欄が「O」と記載された市民証明書を持っている必要がある。

シャヒ氏はAFP通信に対し「私は、自分のためだけではなく、将来の世代のためにも闘ってきました。これからは、私と同じような人は誰でも、「O」と記載されたパスポートを持つことができます」と述べている。「私の国は、私のアイデンティティを認め、尊重してくれたのです」

ネパールにあるLGBTの人権団体「ブルーダイヤモンド協会」のマニーシャ・ダカル事務局長も、今回の動きを歓迎している。

その上で、彼女は他の国々に対して、ネパール政府の決定を受け入れ、性別欄に「O」と書かれたパスポートを持つネパール人の出入国を認めるよう求めている。

ネパール以外の国でも第3の性を認めている国はあり、オーストラリアとニュージーランドでは第3の性を「X」と表記したパスポートを発給している。

この記事はハフポストカナダ版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:佐藤卓/ガリレオ]

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