ネパール大地震、死者2500人超す エベレストで雪崩、日本人の死者も【UPDATE】

ネパール中部で4月25日、マグニチュード7.9の強い地震があり、多数の死者が出ている。
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Volunteers carry the body of a victim on a stretcher, recovered from the debris of a building that collapsed after an earthquake in Kathmandu, Nepal, Saturday, April 25, 2015. A strong magnitude-7.9 earthquake shook Nepal's capital and the densely populated Kathmandu Valley before noon Saturday, causing extensive damage with toppled walls and collapsed buildings, officials said. (AP Photo/ Niranjan Shrestha)
ASSOCIATED PRESS

【UPDATE】2015/04/27 01:26

ネパール中部で4月25日、マグニチュード7.9の強い地震があり、多数の死者が出ている。

ロイター通信によると、ネパール第2の都市ポッカラの東約80kmの地点で、マグニチュード7.9の地震が発生した。ネパールの警察当局は、少なくとも2460人が死亡し、6492人が負傷したことを明らかにした。死者の1100人以上が首都カトマンズで発生している。

現地では夜を徹して救助作業をしたが、救援物資の不足で難航しており、がれきに埋もれた生存者を手作業で救い出している。古く脆弱な構造の家屋に多くの人が住んでおり、夜間に余震を恐れて寒い中を屋外で過ごす人が多かったという。

ネパールの救急救命士は、カトマンズのビル病院で300人から350人の重傷者が運び込まれ、その多くが死亡したと証言した。医療用品は不足しており、近所の店舗から材料を集めて薬を作るなどしているという。

インド政府によると、この地震でインドでも66人が、倒壊した家屋の下敷きになるなどして死亡した。バングラデシュでも2人が死亡した。新華社通信は、チベット自治区で18人が死亡したとしている。

エベレストで雪崩、Google幹部も巻き込まれ死亡

また、観光シーズンのネパールでは、約30万人の外国人観光客が国内に滞在していると推定されている。世界最高峰のエベレスト周辺には約1000人の登山客やシェルパ(案内人)がいたとみられるが、雪崩が起き、インド軍によると17人の遺体を収容した。

NHKによると、エベレスト周辺で登山をしていた日本人2人が雪崩に巻き込まれ、50代男性1人の死亡が確認された。もう1人の50代女性も負傷したが命に別条はないという。

また、NHKは、Googleの研究開発部門を率いてきたダン・フレディンバーグ氏も、雪崩に巻き込まれて死亡したと報じている。

世界遺産のダラハラ塔が倒壊

この地震で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が世界文化遺産に指定した、1832年建造のダラハラ塔(高さ約60m)が倒壊した。10年前から観光客に内部を開放しており、警察によると、200人近い人が巻き込まれたという。

倒壊前のダラハラ塔

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ネパールでは1934年にもマグニチュード8.3と推定される地震が発生し、8500人以上が死亡している。

日本など救急援助隊を派遣

ネパールのMinendra Rijal情報・通信相はインドのテレビに対し「大規模な復旧計画を立ち上げた。我が国はいま、危機にあり、多くの支援を必要としている」と語った。インドは285人の災害援助部隊を派遣したほか、アメリカのケリー国務長官は声明を発表し、100万ドルの緊急支援と、レスキュー部隊の派遣方針を明らかにした。イギリスやインド、パキスタンもレスキュー部隊や援助物資を送った。

NHKによると、日本政府も、ネパール政府からの要請を受け、計約70人の国際緊急援助隊・救助チームを派遣したほか、テントや毛布など2500万円相当の援助物資を送ることを決めた。

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