物流業界は今、大きな変革期にあるといっていいだろう。IoT・AI・ビッグデータの活用、ドローンなどテクノロジーや新システムの研究開発、従業員の働き方における変革...今後どのように変わっていく可能性があるのか。各社の求人動向とともに見ていこう。
テクノロジーの活用が進む物流業界。迎える過渡期。
ECサイトやフリマアプリなど、スマホでのショッピングがあたり前となるなど、配送物の小口化・多頻度化が進む昨今。大型貨物などの物流においてもコスト削減や効率化が求められている。
物流・ロジスティック業界はこういった環境の変化を受け、業界全体でテクノロジーの活用が進んでいる。たとえば、集荷から配達までの状況を把握できる貨物追跡システムの導入、またAIやビッグデータで需要を予測し、最適な在庫管理システムを構築しようとする動きもある。こうした流れは、今後さらに加速していくだろう。
注目したい領域としては、デジタルネットワークを活用した統合管理による共同輸送システム。また、ドローンや宅配ボックス、"物流版ウーバー"などによるラストワンマイル配送システム構築などだ。
こういった変化のなか、どのような人材が求められているのか。発揮される能力が多様化してきているなか、求人情報をもとに具体的な部分を見ていこう。
年収800万円以上の求人も。求められているのは、より上流を担える人材。
では実際に、物流業界でどんな職種が募集されているのか。物流企画・ロジスティクスの求人を見ていこう。求人を出している企業はグローバルに事業を展開している大手メーカーから、大手総合商社のグループであるロジスティクスカンパニーまで多岐にわたる。
2017年9月現在の募集職種は、
■物流センター業務(医療機器企業)
■物流企画
■不動産開発・投資ジェネラリスト(未経験歓迎、総合職採用)
■インダストリーコンサルタント(情報通信/メディア)
■半導体製造装置の物流スペシャリスト
■倉庫の立ち上げ・業務改善企画(国内業務室 業務支援チーム)
■グローバルサプライチェーン開発室_在庫モデル推進(リーダー~メンバー)
■物流コンサルティング/モバイルロボット導入
■グループ会社を含めた物流戦略企画・実行
など、幅広い。
中には海外での物流システムの企画職で、年収800万円以上の求人もある。国際的な物流企画に携わる職種は、高収入を得られるケースが多いようだ。
物流業界で活躍できる人材像
物流・ロジスティックスの分野で活躍できるのはどういった人材か。求人を見ていくと、同業界でキャリアアップを目指す際、業務改善・サプライチェーンマネジメント、IT導入などに携わってきた経験は大いに活かすことができるといえそうだ。
上級管理職を目指す際には、ロジスティクスに関する専門知識や物流現場の改善経験、経営視点での戦略的思考や財務分析力といったことはアピールポイントになるだろう。
同時に異業界での経験を活かし、ロジスティクス分野へのキャリアチェンジの可能性もある。たとえば、マネジメントが期待されている職種なども見受けることができた。
また、その他、各求人に多く共通していた部分としては「英語力」「全体を俯瞰して課題を抽出できる」「論理的思考ができる」「社内外の人を巻き込みながら、プロジェクトを推進できる」という部分がポイントになっていた。
過渡期を迎えている物流業界。既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想で新たな仕組みを構築していく。挑戦のフィールドは大いにあるといえそうだ。
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