何百万マイルも離れた惑星に存在する、天文学的に高価なローバーを運転するのは、そもそも極めて困難だ。しかしNASAのCuriosityチームはそれを成し遂げている。
NASAは米国時間4月15日、数百人が参加する重要かつ現在進行系のミッションを直接会わずに管理しなければならないという前例のない状況に、チームがどのように適応してきたかについて投稿した。
「通常、我々は全員が1つの部屋で画面や画像、データを共有する」と、チームリーダーのAlicia Allbaugh(アリシア・オールボー)氏は語る。「今では別々の部屋にいるだけでなく、スケジュールやコンピュータのセットアップも異なる。「私は15ほどのチャットチャンネルを常時監視している。通常よりも複雑な状況だ」。
もちろんビデオ通話も利用され、ときには数ストリームが同時進行する。一方、これまで高性能ワークステーションで行われていた処理は、現在はラップトップとウェブサービスで処理される。複雑さが増したことでプロセスの効率は低下しているが結果は出ている。
3月中旬には、カリフォルニア州パサデナにあるジェット推進研究所(JPL)のオフィスは空となり、別の場所での作業は中断していた。しかし、Curiosityはまだ稼働している。探査者は岩まで走り、サンプルを採取し、チームに確認のメールを送った。そして今も作業は続いている。
「火星は我々を待っておらず、また我々も探査を続ける」とオールボー氏は語る。
2020年4月16日TechCrunch Japan「NASAでもリモートワーク、Curiosityチームが自宅から火星探査機を運用中」より転載
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