アメリカ航空宇宙局(NASA)は8月14日、「折り紙」をヒントにした新しいソーラーパネルの開発を進行中だと発表した。直径2.7メートルほどに折りたたまれたパネルを花を咲かせるように広げると、直径25メートルほどの大きさになる。コンパクトに収納できるため、小型衛星にも搭載が可能となるという。
このソーラーパネルの動きを、20分の1の模型で説明したのが下記の動画だ。
開発したのは、無人探査機等の研究開発などを行うジェット推進研究所の研究員、ブライアン・トゥリーズさんらのグループ。アメリカ・ユタ州のブリガムヤング大学の研究チームと共同で、このソーラーパネルシステムを開発した。現在の国際宇宙ステーションにおける太陽光発電は84キロワットだが、新しく開発したソーラーパネルでは250キロワットの発電を目指すという。
トゥリーズさんは20年ほど前、日本の高校に留学。滞在先の家族から折り方を教わったのをきっかけに、折り紙に興味を持った。図書館で折り紙の本を読み、いろいろな折り方を研究したという。
当時、兵庫県姫路市のマクドナルド店で、ベーコンチーズバーガーの包み紙を使ってツルを折ったトゥリーズさん
これまで折り紙をヒントにした宇宙ソーラーパネルは、東京大学宇宙航空研究所の三浦公亮さんが開発した「ミウラ折り」と呼ばれるたたみ方が存在する。宇宙実験衛星(SFU)のソーラーパネルや電波天文衛星「はるか」の大型宇宙アンテナなどに使われた。トゥリーズさんもミウラ折りからたくさんのインスピレーションを得たと話す。
「折り紙式ソーラーパネルは、芸術と文化、そしてテクノロジーの融合です。折り紙を過去の芸術だという人もいるかもしれない。しかし、科学技術と組み合わせると、新しい発明が生まれるのです」。
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