大坂なおみ選手「ケイの言葉が一番嬉しかった」全米オープン優勝後のメールのやり取り明かす(一問一答)

「私もできれば女子で彼のような存在になれたらいいなと思っています」
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記者会見する大坂なおみ選手
Jun Tsuboike / Huffpost Japan

テニスの全米オープンで初優勝を飾った大坂なおみ選手が9月13日、横浜市内で記者会見を開いた。

大坂選手は会見で、優勝が決まった後、ともにトーナメントを戦い抜いた錦織圭選手から祝福メッセージが届いたことを明かした。

たくさんの人から大坂選手に寄せられたメッセージの中でも、一番嬉しかったのが、錦織選手の言葉だったという。

「ケイはトーナメント中にずっと応援してくれていた」

錦織選手は惜しくも準決勝で敗れたが、戦友からのメッセージを思い返し、そう感謝した。

メッセージの内容を質問された大坂さんは、「おめでとうというメッセージが来たので、ありがとうと返事しました」と説明。

「ケイはローマ字で送ってくるので分からない時があるのですが、私はひらがなで返信します」と笑いも誘った。

錦織選手について「男子テニスで素晴らしいロールモデルとなっているので、私もできれば女子で彼のような存在なれたらいいなと思っています」と語り、2人の絆の深さをうかがわせた。

会見の主な一問一答は、次の通り。

記者:帰国して、優勝の実感はどうですか。

大坂:たくさんの人が会見に駆けつけてくれたので、そういう気持ちになって来ています。

記者:大坂選手が競合相手に勝ちあがっていく姿に勇気をもらい、その姿に誇りを感じて嬉しい気持ちになったと思います。日本のファンの声は届いていたか、ファンへのメッセージはありますか。

大坂:たくさんの日本人が試合の応援に来て下さった。日本のファンが注目してくれているとも聞きました。空港についた時にも、多くの人が迎えてくれたのえ、少しびっくりしましたが、みなさんの声援を受けているということを実感しました。

記者:試合中にネガティブになると言っていたが、意識をどうやってポジティブに持っていけたのでしょうか。

大坂:相手がどれだけのレベルかはやらないと分からない。出来るだけポジティブになることで点が取れると信じていることで、それができた思います。

記者:日本で勝つと抹茶アイスを食べたいと言っていたが、食べたましたか?

大坂:食べなかった。

記者:今後は?

大坂:ツアーが近いので、試合に向けてダイエットしないといけないので、試合が終わった後ですかね。

記者:いまはどんな気分ですか。

大坂:いま?眠い。とってもうれしいです。

記者:2019年までにトップ10に入る、そしてグランドスラムで優勝するという話がありましたが、2018年で達成しました。次の目標・ゴール、世界ランク1位などについてはどうですか。

大坂:直近の目標はシンガポールオープンに出場することです。そのためにツアーで結果を出さないといけません。年間シングル5位以内を目指したいけど、余りプレッシャーをかけないようにしています。

記者:優勝で一番嬉しかった言葉は誰の言葉ですか。

大坂:試合に勝った後、たくさんのテキストメッセージをもらいました。一番嬉かったのは、ケイ(錦織圭選手)の言葉です。彼はトーナメント中にずっと応援してくれていたので。

記者:大坂なおみブームはどう思っていますか。

大坂:たくさんの支援にを受けるのは感謝でいっぱいです。今回の大会でも、良いプレーをできればと思っています。今は、みなさんに応援してもらっているので、波に乗っているなと思っています。

記者:日本でやってみたいこと、行ってみたいところはありますか。

大坂:原宿に行きたいですし、東京ドームの隣にあるジェットコースターに乗ってみたいです。

記者:決勝はとても良い試合でしたが、その瞬間を楽しめなかったのは悲しかったと思いますか。セリーナのことがあったので。

大坂:私はそんな風に、悲しいことだとは思っていません。なぜかというと、初めての決勝、グランドスラムでの優勝だったので、トータルではハッピーなトーナメントだったと思いますし、多くのことを達成できたと思っています。過去の優勝経験がなかった分、何を考えたらいいか分からなかった。それほど多くのことを考えてはいませんでした。

記者:いま誰か会いたい人はいますか。

大坂:姉に会いたいです。

記者:どんなことをしたいですか。

大坂:ウィンブルドン以来会っていないので、ただ一緒に楽しく時間を過ごしたいんです。

記者:根室にいるおじいさまに会う予定もありますか?

大坂:おじいちゃんは会いに来てくれるので、会うことができます。いつも応援してくれてるので、本当に会うのが楽しみです。とてもおもしろいおじいちゃんです。

記者:東京オリンピックへの思いや目標を教えてください。

大坂:どのアスリートも夢に思っているので、私自身も楽しみです。もしプレーできるのなら、狙うのは金メダルなので、それを目標に頑張りたいと思います。

記者:インスタグラムにたくさんの写真をあげていますが、どんな写真を誰とどんな場所で掲載したいですか。

大坂:どうしようかわからないですが、コンビニに行った時の写真になると思います。

記者:日本の皆さんに、日本語でメッセージをお願いします

大坂:いつもありがとう。こんにちは、寿司はすごくおいしい。

記者:大坂選手の活躍を見て、日本中の子供がテニスを大好きになったと思います。メッセージをお願いします。

大坂:ぜひ楽しくテニスを続けてもらいたいとお思います。戦いといえどもゲームですので、楽しいはずです。できるだけ自分のベストを尽くしてください。私を目標にしないでください。責任が取れないと思っているので。

記者:試合後の大坂選手のインタビューや発言が話題になっているのはご存知ですか。

大坂:トーナメント中は、ソーシャルメディアを見ていないのでわからないです。

記者:インタビューではどんなことを意識していますか。

大坂:あんまり考えていない。質問されて、頭に浮かんだことを話しています。

記者:先ほどお話ししていた錦織さんからのメッセージの内容と、どう返信したのか。それから錦織選手は大坂さんにとってどういう存在ですか。

大坂:おめでとうというメッセージが来たので、ありがとうと返事しました。

記者:日本語でのやり取り?

大坂:ケイはローマ字で送ってくるのでわからない時があるのですが、私はひらがなで返信します。

記者:大坂選手の中で大事にしている言葉や日本語はありますか。その理由も教えてください。

大坂:ガラスの仮面をずっと見ていたので、紫さん(紫のバラの人)という人物が出てくるのですが、しばらくは紫さんという言葉が大好きでした。

記者:アメリカの生活で日本語を学ぶときはどのように学んでいるのですか。

大坂:ドラマをたくさん見たり、音楽を聴いたり、YouTubeを見たりしています。

記者:海外の報道などで、大坂さんの活躍や存在が、それまでの古い「日本人像」(固定観念)を見直す・考えるきっかけになっていると報じられていますが、自身のアイデンティティも含めて、どう受け止めていますか。

大坂:テニスで?

記者:「日本人の間に生まれた人が日本人」という古い価値観が残っている中、(日本、ハイチ出身の両親をもち、アメリカで育った)大坂さんのバックグラウンドが伝えられる中で、そういった価値観を変えようという動きが出てきていると思うのですが。

大坂:これは質問?自分のアイデンティティについて深く考えたことはないのですが、「私は私である」としか思っていないので、私が育てられてきた方法の通りです。テニスに関しては、日本のスタイルらしくないと思っています。

記者:優勝したことで日本のテニス人気を高まるといった影響について、何か考えはありますか。

大坂:今年始めの全豪オープンで良いプレーができたこと、続く大会でも結果がよかったことで、そんなことを考えていました。全米オープンで、錦織選手とともに私たち日本人2人がセミファイナルに残ったのは初めてと聞かされましたし、子供たちに良い影響を与えてくれているかなと考えたこともあります。

錦織選手は、男子テニスで素晴らしいロールモデルとなっているので、私もできれば女子で彼のような存在になれたらいいなと思っています。