内閣府職員、韓国での足取りは... アレックス・ポーと名乗りボート購入

1月18日、福岡・北九州市の沖合を漂流していたゴムボートが転覆し、海底から遺体で見つかった内閣府の男性職員(30)。
|
Open Image Modal
時事通信社

1月18日、福岡・北九州市の沖合を漂流していたゴムボートが転覆し、海底から遺体で見つかった内閣府の男性職員(30)。アメリカに留学中、研修の一環で韓国での経済セミナーに参加する予定だったが、実際には出席しなかった可能性があるという。

先月、北九州市の沖合で漂流していたゴムボートが転覆して、近くで韓国に入国したまま消息が分からなくなっていた内閣府の30歳の男性職員が遺体で見つかりました。



この職員は先月上旬にソウルで開かれる国際会議に出席するため、留学中のアメリカから韓国に入国しましたが、韓国を出国した記録はなく、日本に帰国した記録もないことが捜査関係者への取材で分かりました。

(NHKニュース「死亡の内閣府職員 出国記録なし」より 2014/02/01 22:08)

男性は、韓国で本名や偽名を使いわけながら、ソウルや釜山に滞在。アレックス・ポーを名乗り、ボートを注文・購入していたという。

男性は、なぜ正規の出国手続きも取らず、韓国から極寒の対馬海峡を渡ろうとしたのか——。これまでの報道でわかった、内閣府職員の韓国での足取りをまとめる。

■男性は、内閣府のキャリア官僚

内閣府によれば、男性は2010年4月に採用され、2013年7月からアメリカに留学していた。研修の一環で、経済セミナーに出席するために韓国に入国したという。

内閣府によると、男性は2010年4月に採用。昨年7月、経済社会総合研究所(東京)から米ミネソタ州の大学院に2年間の予定で留学していた。昨年12月に本人から「韓国で1月上旬に開かれる経済関係の会議に出席したい」と申請があり、公務として認めたという。実際に韓国に入国したかは明らかにできないとしている。

(MSN産経ニュース「内閣府職員、会議で米国から韓国入りか 遺体に外傷なし」より 2014/02/01 22:19)

セミナー関係者によれば、男性は2013年12月に経済セミナーの参加者を対象とした観光ツアーについてメールで問い合わせをしていた。申し込みは本名で、参加費もクレジットカードで支払っていたという。

主催者によりますと、去年の12月初めに内閣府職員から先月8日から10日までソウルで開催された学術会議に参加したいと連絡がありました。しかし、当日の受付には現れなかったということです。申し込みの際、職員は本名で、留学先のミネソタ大学大学院の研究生として登録しています。その後、参加費250ドルをクレジットカードで支払ったということです。

(テレ朝news「死亡した内閣府職員 ソウルの学術会議に参加せず」より 2014/02/06 05:00)

■1月3〜4日、ソウル市内に実名でホテルで滞在

男性は1月3日、ソウル市内のホテルに実名でチェックイン、そして、翌日にチェックアウトした。

(FNNニュース「内閣府職員遺体事件 ...」より 2014/02/04 00:47)

■1月6日、ソウル市内で遺失物届を提出・ボートと船外機を注文

男性は6日「パスポートカバーを失くした」として、ソウル市内の交番に遺失物届を提出。その後、香港出身のアレックス・ポーを名乗り、ゴムボートや船外機を現金で購入したという。

職員は、これに先立つ6日夕方、未明に「パスポートカバーをなくした」として、ソウル市内の交番に、遺失物届を出していたこともわかった。職員は、この届け出の直後に、ボートを注文・購入し、2日後には釜山(プサン)にいて、その後、ソウルに戻った可能性がある。

(FNNニュース「内閣府職員、ソウルで...」より 2014/02/05 18:26)

ゴムボート販売業者:「彼が買いたがったのは、1人乗りの釣り用ボートだった」

内閣府職員は「釣りが好きだ」と話すなど、釣り客を装い、ゴムボートとモーターなど合わせて約10万円分を現金で購入したということです。更に翌日の7日、店に「アレックス・ポー」の名前でメールを送り、ゴムボートを釜山のホテルに配送するよう伝えていました

(FNNニュース「“アレックス”と名乗りボート購入 内閣府職員死亡」より 2014/02/05 01:07)

■1月8日、釜山市内のホテルで、偽名でボートを受け取る

釜山市内のホテル関係者によれば、男性は、アレックスを名乗りホテルでボートを受け取ったという。同日、釜山市内でバッテリーとケーブルを購入していた

1月8日に韓国・釜山市内のホテルに、ソウル市内のボート販売店から梱包されたボートが届き、同日中に「アレックス」と名乗る人物が受け取りに来ていたことがホテル関係者の話で判明。

(スポニチ「内閣府職員 死因は低体温症か溺死 遺体にカード」より 2014/02/03 18:06)

■1月10日、ソウル市内の宿泊移設に滞在か

9日からの経済セミナーには出席した形跡はなく、宿泊予約している施設で10日に撮影された映像には、男性と見られる人物が映っていたという。

ソウル市内の宿泊施設で、1月10日に撮影された映像には、死亡した職員とみられる男性が映っている。

職員は、この宿泊施設を1月4日から11日まで、本名で予約していた。

(FNNニュース「内閣府職員、ソウルで...」より 2014/02/05 18:28)

内閣府職員のアメリカへの留学費用は税金から支出されている。研修専念義務が課せられており、合理的な理由がない限りは、日本に戻ってきてはいけないことになっているという。このような状況下で、ゴムボートを使ってまで、なぜ日本に戻ろうと思ったのか、謎は深まるばかりとなっている。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

関連記事