鍋・ショック―『スコットランド人夫の日本不思議発見記』(6)

今回は、スコットランド人である夫の「食(食文化)への偏見」をお伝えします。
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今回は、スコットランド人である夫の「食(食文化)への偏見」をお伝えします。

夫は、「食べられない物」と「食べるべきでない物」を『廃棄物』と呼びます。前者は「ピクルス」「アンチョビ」「ハチミツ」ですが、私の作る食事には全くと言って良い程必要のない素材なのでさほど困りません。ですが、ピクルスの延長で「梅干し」「漬物」までもがゴミ呼ばわりされるのは、なかなか不愉快なものです。

後者においては、ネット情報に振り回されている為か、毎回コロコロ変わります。今現在は、太るという理由で「糖分入り炭酸飲料(糖分)」・「小麦粉(炭水化物)」・「卵の黄身(脂肪分)」、身体に悪影響を与えるという理由で「ウィンナー・ベーコンなどの加工肉(亜硝酸ナトリウム )」絶ちをしています(私的には「糖分カットの甘味料入り飲料水」の方が身体に悪そうな気もするのですが)。特に小麦粉は徹底的に排除している為、軽いランチにサンドウィッチなどが作れないと言う面倒な一面があります。

そんな夫ですが、「お好み焼き」なら喜んで食べてくれます。なぜって彼は、お好み焼きが何で出来ているのか知らないからです。

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さて、そのような偏見持ちの夫ですが、実は「日本食」を「世界で最もヘルシーな食事である」と妄信しています。おコメや味噌汁を好んで食してくれるのは嬉しいのですが、お陰で肉食人種である夫の「おかず」に毎回悩まされます。

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面倒になった時はお鍋に逃げるのですが、毎回夫は「箸を鍋に突っ込むなんて汚イ!!」「取り分け用に何かを用意しろ!!」と、訴えてきます。「日本食」を愛する割には「日本式」を取り入れてくれないので、いささか面倒です。

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鍋に関して一番困ったのは、日本で私の両親がスキヤキをご馳走してくれた時です。私の家族が各々の箸で突かれる鍋に、夫は間違いなく動揺するに違いありません。母が気遣って、取り分け用に「菜箸」を用意してくれたのですが、そのおかげで楽しいはずのスキヤキ・パーティーが「菜箸の奪い合い」と相成りました。

余談ですが「私が作るモノ=日本食」としてインプットされている夫にとっては「チャーハン」「ラーメン」「オムライス」であろうとヘルシーな和食らしいです。ですが、日本帰国時に両親が連れて行ってくれた「中華飯店」にて、「中華にはヘルシーな食べ物がナイ」と言って、サラダしか注文しなかった夫の武勇伝は今尚、親族の間で語り継がれています――。

~続く。

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