こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
国政マターですが、消費増税に関連して「軽減税率」で少し動きがあったようです。
購入情報、暗号化で厳重管理=マイナンバー活用で2%還付-軽減税率の財務省案全容
私はこの軽減税率については、議員になる以前から一貫して反対の立場です。
消費者負担の軽減などのお題目で非常に「有権者ウケがいい」この政策ですが、
・何を軽減の対象とするかで、利権の温床となる(新聞が最たる例)
・事務手続きが非常に煩雑になる(販売の現場、行政ともに)
・そもそも低所得者がそれほど恩恵を受けない
などの多数の欠点は明白であり、
経済学者や税理士を始めとして多くの有識者は反対の立場です。
詳しくは私の過去記事をご参照下さい↓
【消費増税】「軽減税率」は最悪の選択肢?!
集めて配るくらいなら、最初から返す分は集めなきゃいいんじゃないの?【給付つき税額控除】
所得制限を設けずに還付する今回の制度は完璧とは程遠いものの、
「負の所得税(給付つき税額控除)」を実現するための第一歩となる可能性もあり、
マイナンバー制度への普及貢献も含めて軽減税率より遥かにマシな政策と言えます。
上限金額の設定など細かな制度設計でマイナスに働く可能性もあるので、
しっかりと今後の行方に注視していきたいところです。
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もちろん私は小さな政府・自由主義者ですので、
国民の消費動向が国家に把握されるようなマイナンバー制度は、
存在しないに越したことはないと正直思います。
しかし、現実的に社会保障制度は機能をさせざる得ないわけで、
それを効率化していくためにはマイナンバーのような管理システムが必要不可欠と言えます。
この点については、千葉市長の熊谷氏のコメントが非常に秀逸です。
「国の行政効率性とプライバシーのバランスをどこに置くか」
まさにこの点を正面から議論していかなければならないのですね。
というわけで私がここで気になっているのは、マイナンバー制度を
「国家による国民監視ではないか」
「自分の個人情報を国家に売り渡すなんて、リスクが高すぎる!」
と冷静に考えている人が、
時に平気でTポイントカードをあらゆる店舗で差し出していることです。
国家よりイチ企業に個人情報を握られている方が、よっぽど危険だと思うのですが...
こうした「リスクとベネフィットのバランス」というのは、
案外とロジカルに比較衡量できる人は少ないのではないかと思います。
個人情報保護法自体が、非常にいろいろな意味で問題のある存在だと思いますけれど、
これを機会にいちど国民的議論をする時がきたのかもしれませんね。
マイナンバー制度の導入・運用に関しては
都議会でも本定例会で議案が上がっておりますので、
しっかりと審議をしてまたご報告いたします。
それでは、また明日。
(2015年9月8日「おときた駿公式ブログ」より転載)