幼少期の音楽レッスンは、脳を物理的に変える?

子供のころに音楽のレッスンを受けると、音楽を鑑賞する力やリズム感が高まるだけでなく、脳の一定の部位が物理的に変化して成長する可能性のあることが、ある小規模な研究によって示された。
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子供のころに音楽のレッスンを受けると、音楽を鑑賞する力やリズム感が高まるだけでなく、脳の一定の部位が物理的に変化して成長する可能性のあることが、ある小規模な研究によって示された。

北京師範大学の研究チームによると、7歳より前に音楽のレッスンを受け始めた人は、7歳以降に音楽を始めた人と比べて、自己認識と聴く能力に関連する脳の部位が大きくなる可能性があるという。

「早期の音楽教育は、子供にとって、ただ音楽を簡単に楽しめるようになる以上のものをもたらす。脳が変化するだけでなく、その脳の変化が認知力を向上させる可能性がある」と、研究者のユンシン・ワン氏は発表の中で述べた上で、「われわれの研究は、早期の音楽教育が脳の大脳皮質の構造を変化させる可能性があることを示す証拠を提供するものだ」と語った。大脳皮質は、脳の最も表面にある層だ。

この研究は、11月13日までサンディエゴで開催されていた北米神経科学学会年次総会で発表されたもので、19歳から21歳までの48名の漢民族の若者を対象に実施された。すべての被験者が子供の頃から正式な音楽教育を受け始めていたが、その開始時期は異なっており、3歳から始めた人もいれば、15歳というかなり遅い年齢で始めた人もいた。

研究チームが調査したのは、被験者の脳の大きさ、特に灰白質の大きさと大脳皮質の厚さだ。その結果、7歳より前に音楽を習い始めた人は、それ以降に習い始めた人より大脳皮質が厚かったという。

また、この年次総会でモントリオール大学の研究チームが発表した別の研究結果によれば、長期にわたる質の高い音楽教育は、視覚と聴覚の統合だけでなく、触覚と聴覚の統合を促進させる可能性があるという。

さらに、ノースウェスタン大学の研究チームは、『The Journal of Neuroscience』誌に11月6日付けで掲載された論文で、幼少期の音楽教育によって脳が訓練されると、成人してからの会話の応答速度が速くなる可能性があると述べている。

[AMANDA L. CHAN(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]

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