反戦を訴え続けたジャーナリスト、むのたけじ(本名:武野武治)さんが8月21日未明、老衰のため、さいたま市の次男宅で死去した。101歳だった。時事ドットコムなどが報じた。
むのたけじさん(時事通信社)
1936年に東京外国語学校(現在の東京外語大学)を卒業。報知新聞社を経て朝日新聞社に入社。戦時中は従軍記者として、中国やインドネシアの特派員を歴任した。日本が無条件降伏した1945年8月15日、「負け戦を勝ち戦のように報じて国民を裏切ったけじめをつける」として退社した。
1948年、出身地に近い秋田県横手市で週刊新聞の「たいまつ」を創刊。1978年に780号で休刊してからは、著作や講演活動を通じて「戦争の絶滅」を訴えた。
NHKニュースによると、むのさんは2016年5月3日の憲法記念日には東京で開かれた集会に出席。「ぶざまな戦争をして残ったのが憲法9条だ。私は人類に希望をもたらすと受け止めたが、70年間、国内や海外で誰も戦死させなかった。道は間違っていない」と述べ、これが公の場での最後の発言になったという。
関連記事