アメリカの経済雑誌「Forbes」が8月16日「世界で最も稼いだ女優」を、22日に「世界で最も稼いだ男性俳優」を発表した。
世界で最も年収が多かった女優は、映画『ラ・ラ・ランド』で主役を演じたエマ・ストーン(28)。Forbesの集計によると、2016年の6月から1年間で2600万ドル(約28億5000万円)を稼いだという。リアリティのある演技で、2017年のアカデミー賞主演女優賞に輝いた。
世界で最も年収が多かった男優は、『トランスフォーマー/最後の騎士王』で主役を演じたマーク・ウォールバーグ(46)。同期間に6800万ドル(約74億6000万円)を稼いだ。
"実力主義社会"で知られるハリウッドにおいても、男女で大きな収入格差があることを明らかにする数字だ。男優のトップ10の収入の合計と、女優のトップ10の合計とを比較すると、約3倍近くの開きがある結果だった。
男女の俳優の収入格差についてForbesは、あくまで1つの要因ではあるものの、ギャラが大きくなりがちなアクション系映画などで、どうしても女性の登場人物が男性よりも少なくなってしまう点があると分析している。
それにしても、映画全体の中で、セリフのある配役のうち女性がたった28.7%というのは大きすぎる格差ではないだろうか。
ちなみに、最も稼いだ女優で1位のエマ・ストーンは、男女混合のランキングでは15位だった。
■男女の地位の格差をなくすために...。
男女の収入格差は、世界中で関心を集めている話題だ。
収入だけでなく、様々な分野における男女の地位の格差を是正しようという動きが世界中で起きている。
女優のナタリー・ポートマンは、ドナルド・トランプ大統領の就任翌日、女性の人権を訴える世界規模のデモに参加し、女性の地位向上を訴えた。
ポートマンはデモで、政治でも経済でも司法でも、女性リーダーの数が男性リーダーに比べて少ないことを指摘し、男女間の収入格差の是正や、女性が抑圧から解放されるためのアクションをし続けよう、と呼びかけた。
3月8日の「国際女性デー」に合わせて、ニューヨークのウォール・ストリートには「Fearless Girl(恐れを知らない少女)」という銅像が置かれ、世界中で大きな話題となった。
1987年に世界を襲った大恐慌の際に「苦境に立ち向かっていく金融街の象徴」として建てられた雄牛像「チャージング・ブル」にちょうど向かい合う形で設置された「恐れを知らない少女」は、女性が経済的に男性と対等になっていくべきだというメッセージを世界中に強く訴えた。
『ラ・ラ・ランド』では、女優を目指しオーディションを受け続ける女性ミアを演じたエマ・ストーンは、アカデミー賞の主演女優賞受賞者スピーチで以下のように話した。
この映画は夢を追う人を描いている映画です。
才能を評価されないで、ドアをピシャっと閉められてしまった人たち。これは、比喩じゃないわよ、物理的によ。 オーディションに落ちたり、ボロクソに言われた人たち。 俳優・女優に限らず、全ての諦めずに立ち上がった人たちと、私のこのオスカー像を共有しあいたい。エマ・ストーン
男女格差の是正のために、今まさに多くのセレブリティや、多くの名もなき男性・女性が立ち上がっている。
私たちには、何ができるのでしょうか。考えてみたい。
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