アメリカ・ユタ州に住む12歳のサバンナさんは5月、自らが通うモルモン教会コミュニティの集まりで、レズビアンであることを告白した。さらに「主は、私をこのように創られたのだと、強く信じます」とも語った。
モルモン教は、同性に敬慕することと同性愛的なふるまいを区別し、敬慕は罪ではないが同性愛的なふるまいは罪と見なしている。
残念ながら、教会職員から途中で着席を命じられため、サバンナさんのスピーチは打ち切られた。事実上、自らの体験を知ってもらおうした少女に沈黙を強いるかたちとなった。
話を中断されるまで、サバンナさんは、これまで自分のセクシュアリティとどう付き合ってきたかを、力強くも心温まる体験談を語ってくれた。
「主はありのままの私を愛してくれます。なぜなら、主は彼のあらゆる被造物を愛しているからです。私はそう信じています…。主は、意図して私をこのように創られたのだと、強く信じます」。動画のなかでサバンナさんはそう語る。
「私を形づくるものの中には、失敗など1つもありません。こうなろうとして、今の私があるのではありません。ましてや、気まぐれなんかではありません」
「誰かを同性愛者に変えることなど私にはできません。だから、私のそばにいたからといって同性愛者になることなど決してありません。主は、様々に異なる人がいるなかでも、互いに優しさをもって接しあってほしいと私たちに望まれている。私はそう信じます」
COURTESY OF HEATHER SAVANNAH
サバンナさんの母親ヘザーさんは、ハフポストUS版に語ったところによると、サバンナさんが初めてカミングアウトしたのは2016年6月のことだった。
「他の女の子は、みんな男の子たちに熱を上げているのに自分は違う。私は女の子が好き。そのことをずっと考えて、孤独を感じていた」と打ち明けられた。
ヘザーさんは、自分はあなたを愛していると娘に伝え、あなたはあるがままでこの上なく素晴らしいのだから何も恥じることはない、と力づけたという。
さらにヘザーさんによれば、サバンナさんは2016年1月から自分の体験を教会コミュニティの人たちに向けて話す機会を持ちたいと語っていたという。カミングアウトしていない教会のメンバーに、ここにも仲間がいるよと知らせたら、と思ったのだ。
「私が感じたのは、畏敬の念でした」。サバンナさんのスピーチについて母のヘザーさんはそう語った。
「サバンナは本当に勇敢です。自分の心とあれほど深く関わる秘密を打ち明けることなど、私にはできないでしょう。他人にどう見られるかが不安で、意気地が無いのです。私はサバンナを誇りに思います。今でもです」
「サバンナは、この問題を自分だけのものにするのではなく、他のLGBTの子どもたちを守るためのきっかけにしたいのです。自分の体験を知ってもらうことで、他の子どもがそのような体験をしなくてすむようにしたいのです」
「サバンナはこの一連の出来事について、うれしもあり悲しくもある、と言っています。うれしいというのは、『自由になったと感じている』から。つまり自らを同性愛者として見ることができるとともに、自分は他人と何も違わないのと感じられるからです」
「悲しいというのは、教会コミュニティの人達は、なにも咎めることなく自分を受け入れてくれる、という話をする予定だったからです」
ユタ州で行われたLGBTの祭典に参加するサバンナさん
2016年、モルモン教会はゲイおよびレズビアンのモルモン教徒向けにウェブサイトを開設した。同サイトは、同性愛者もモルモン教徒になれることを明記している。しかし、同性愛的欲求に基づく性行動を行わないならば、という但し書きがつく。
そのため、サイト開設は小細工に過ぎない、セクシュアル・マイノリティのモルモン教徒にとって真の進展をもたらすものではない、という声も上がっている。
ヘザーさんは、モルモン教会が娘の勇敢なメッセージを受け取るだけの度量をもっていることを願っている。
「モルモン教会には、同性愛者も素晴らしい人たちであり、彼らもまた、すべての人と同じように善良で健全であること、また生涯変わらぬ愛を当然許されるべきだということを知って欲しいと思っています」とヘザーさんは語った。
「サバンナが、モルモン教会に知って欲しいのは、自分が決して邪悪な人間などではないこと。主は彼女を愛していること、そして彼女が同性愛者なのは生まれつきなのだということです。『愛ゆえの戒め』 も同性への愛を取り去ることはできないでしょう。キリストは、私たちがただ愛しあうことの他に何も求めていないはずです」
教会でのスピーチ(途中で打ち切られたため公表されていない部分もふくめ)やサバンナさんの体験談についてさらに知るには、ポッドキャスト「虹を見つけに行こう!」(英語)へ。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳・編集しました。
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