民主党が細川護煕元首相(75)に、2月に行われる東京都知事選への立候補を打診していたことがわかった。民主党幹部が明らかにした。ただ、細川元首相は固辞しているという。47NEWSなどが報じた。
かつて細川氏が率いた旧日本新党出身の民主党関係者が打診した。細川氏は1993年に非自民連立政権を実現させた立役者の一人で一定の知名度もあり、自民、公明両党との相乗りを避けるためにも望ましいと判断したとみられる。
(47NEWS「民主、細川元首相に立候補打診 都知事選、固辞か」より 2014/01/06 22:33)
細川氏は熊本県知事などを経て1992年に日本新党を結党し、1993年に衆院選で当選。その後、新生党の小沢一郎氏や、新党さきがけの鳩山由紀夫氏らと、非自民系による連立政権を組んだ。しかし8党という多数政党による連立であったため、各種調整がうまくいかず、細川氏は首相就任からわずか8ヶ月で辞任。98年には政界を引退している。
民主党幹部は安倍政権に対向する狙いもあり、都知事選では自民・公明と相乗りをせず、独自の候補を出したいとしている。非自民系の連立内閣を成立させた細川氏ならば、知名度もあり望ましいと判断したようだ。
細川氏については、小泉純一郎とともに脱原発を掲げて共闘するのではないかという見方もある。週刊朝日は2013年10月、小泉元首相が細川元首相に会ってみたいと述べたことについて、細川元首相のコメントを次のように報じている。
(細川元首相)「小泉さんとは会って話をしたいと思っています。当然、原発の話題になるでしょう。(中略)どこまでの話になるかわかりませんが、日本の現状は本当に深刻。どう行動するべきか考えなければならない」(中略)
小泉氏と同じく、細川氏も自身の政界復帰については固く否定する。それでも、原発問題には強い危機意識を持っていた。
「どの政党がくっついてというような永田町の話ではなく、国民運動にしていかなければならない。政権交代を実現した日本新党も、元は国民運動でした。脱原発が『一部の人が言っていること』と思われている今の空気を変えなければならない」
(dot.「小泉純一郎の「脱原発」で政界再編 細川元首相が“共闘宣言” 〈週刊朝日〉」より 2013/10/24 16:00)
また、ジャーナリストの田中稔は、情報は錯綜中としながらも、生活の党の小沢一郎氏も、細川氏を支援する動きがあるとツイートしていた。
なお、民主党は海江田万里代表自らが、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏に都知事選立候補の要請をしていたことも報じられている。
海江田氏は5日午前、都内で鳥越氏と会談し、立候補を直接要請した。しかし、関係者によると、鳥越氏は6日夜、家族の反対やテレビの仕事などを理由に、海江田氏に立候補しない考えを伝えた。
民主党は、特定秘密保護法で反対を掲げた鳥越氏を本命候補として、水面下で擁立作業を進めてきた。都連幹部は猪瀬直樹氏が都知事の辞職を表明した当日、鳥越氏と面会して立候補を打診。同氏から前向きな感触を得ていた。
(朝日新聞デジタル「(変転 2014都知事選)民主、独自候補困難に 本命の鳥越氏が固辞」より 2014/01/07 05:00)
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