森喜朗会長が「性差別的な発言」。海外メディアが続々と報じる

AFP通信は日本のジェンダーギャップ指数は121位で、「ジェンダー平等の推進に引き続き後れを取っている」と指摘した。
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JOCの森喜朗会長
ASSOCIATED PRESS

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗(もり・よしろう)会長が「性差別的な発言」をしたと海外メディアも続々と報じている。

 

■森会長の問題発言とは?

森会長は2月3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と性差別と受け取られかねない発言をしていた。

朝日新聞デジタルによると、JOCの理事は25人中女性は5人と20%に過ぎない。JOCは全理事のうち女性の割合を40%以上にすることを目標としているが、森会長はこの日の会合で私見として「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言した。

その上で、女性の理事を増やしていく場合は「発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困る」という声が出ていたことを紹介していた。

 

■各国メディアの報道は?

イギリスのロイター通信は、「森会長が性差別的な発言をする」という見出しだった。東京オリンピックについて「コロナがどういう形でも必ずやる」と森会長が2月2日に発言したことを受けて、「日本のコメディアンの田村淳が聖火ランナーを辞退すると述べた」とも報じている。

フランスのAFP通信も、「東京オリンピックの会長が性差別的な発言」と伝えた。森会長の発言は「性差別の論争に火をつけるリスクを冒した」と評した。その上で、ジェンダーギャップ指数で日本は153カ国中121位だと紹介。「ジェンダー平等の推進に引き続き後れを取っている」と指摘した。

アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」のオンライン版は、朝日新聞や共同通信の記事を引用した上で「東京オリンピックの会長が女性の制限を示唆」の見出しで報じた。

JOCは東京オリンピックの1年延期による追加コストと開催反対の世論に直面している中でさらに「新たな騒動」に直面。「森会長に対してSNSで反発が広がっている」と報じた。

Twitter上で「森会長の辞任を求める声がすぐに広がった」とした上で、「(83歳という)森会長の年齢と時代遅れの態度が本当の問題だ」という声も紹介した。

同じくアメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」は、東京オリンピック会長が「女性が会議で話しすぎるのは困る」と言ったと報じた上で、首相在任中などに森氏が数々の問題発言をしたケースを列挙している。