死産した母親からすべての親へ。「お願い」があります

「最近子供が生まれたり、もうすぐ生まれる予定だったり、将来子供を生みそうな人が大勢いますが、これは私からあなたたちへのお願いです」

アメリカ・フロリダ在住の女性が、死産の経験をFacebookに投稿した。その強烈なメッセージは瞬く間にSNSで拡がり、子を持つ親たちに衝撃が走った。

ナタリー・モーガンさんは9月21日の投稿で、自分が失った小さな命について触れ、子育て中の親たちへの「お願い」を書き綴った。

以下に、彼女が綴った「お願い」を紹介する。

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私と夫のブライアンの友人で、最近子供が生まれたり、もうすぐ生まれる予定だったり、将来子供を生みそうな人が大勢いますが、これは私からあなたたちへのお願いです。

子供をベッドに寝かせようとすると、叫んだり泣いたりする時もあると思います。子供が腕の中で泣きわめいて、どんな手を使っても泣き止まないこともあるはず。子育て中は眠れない夜が続いたり、数分間の間に何度もおむつ交換をしたりしなければならなかったり、髪につばを吐かれたり、シャツにおしっこをかけられたり、手にうんちがついたり、といったことが日常茶飯事です。その上、赤ちゃんは大泣きしたまま……。あなたまで泣きたくなるのもわかります。イライラも極限まで達して、逃げ出したくなったとき、どうか私の話を思い出して。

私の愛おしい娘、エレノア・ジョセフィーヌは9月11日、命を失った状態で胎内から出てきました。前日の9月10日の夜に私が就寝したとき、彼女はお腹の中で暴れていました。なのに、私が目覚めた頃には胎動がありませんでした。心音計でも心臓の鼓動が聞こえませんでした。その時、直感的に悟ったのです。分かりたくなかったけど……。間違いであってほしかったけど……。でも、わかっていました。

すぐさま分娩室へ移動させられましたが、その間ずっと祈っていました。ドップラーの検査をしても、反応なし。超音波検査の前に、お腹に心拍モニターをつけましたが、やはり何も聞こえませんでした。

急激に気分が沈み、「こんなことがあるはずはない……これはただの夢よ……こんなことが起こるはずないわ……きっと超音波で何か見つかる……“何か”が!」と考えていたのを覚えています。でもそれはか細い希望でした。繰り返しになりますが、私は知っていたのですから。病院のスタッフたちも知っているはずでしたが、ブライアン(彼は車を駐車しに行っていました)が来るまで、誰も何も言わず、わざとぐずぐずしていました。「超音波の機械は時々起動に時間がかかるんです」「超音波器具がおかしいようです……」とか言いながら。

ようやくブライアンが来ると超音波の検査が行われ、部屋はシーンと静まりかえり、みんな緊張した視線を交わしました。やっとその中の一人が事務的な口調で、「ナタリーさん、私は医者の◯◯(名前は憶えていませんが、私は密かに彼女に失礼なあだ名をつけていました)です。残念ですが、反応がありません」

その瞬間がいつも蘇ってきます。窒息してしまいそうなほど息がつまり、心理的ダメージの大きさで、全身が麻痺したように感じました。私が生きている限り、一生つきまとう記憶です。天井がガラガラと崩れ落ちてきて、瓦礫に閉じ込められ、身動きがとれない感じがして、息ができなかったです。私は暴言を吐き、叫び、物を投げ、吐きました……。自分の一部が娘とともに死にました。私は無力で、何もできなかったです。母体は娘を守らなければならなかったのに、逆に殺してしまいました。

妊娠40週間と6日でした。数時間後、分娩を誘発されました。硬膜外麻酔を勧められましたが、痛みを感じたかったので、断りました。心の中で感じていることを表面化するため、苦痛と悲しみが必要だったのです。こんなつらい経験は人生で初めて。本当に。耐えがたい子宮の収縮や、火の輪が燃えるような、裂けるような感覚に立ち向かいつつも、結局すべては無駄だと知っているのですから。生きていない子供を出産していたのです。通常の分娩のように、元気な子を出産した喜びで生みの苦しみを忘れることはできません。

私の赤ん坊の命が消えても、この苦しみは一生消えないです。そして地獄のような分娩時間の後、赤ん坊は私の胸に置かれました。息は絶えていましたが、可愛らしかったです。

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彼女は、心が張り裂けそうな投稿をした「朝の3時に赤ちゃんを抱いていて、睡眠がとれないとき、どうか、思い出してください。私は、赤ちゃんが抱けないから、3時に起きてしまいます」と。「私は、一晩中寝ない赤ちゃんのお世話をするためなら、何でもします」

30万回以上シェアされているこの投稿で、モーガンさんは妊娠40週のときに子宮内死産した我が子、エレノア・ジョセフィーヌさんについて書いている。

モーガンさんは9月11日に死産し、夫のブライアンさんと思い出の写真を何枚も撮り、それをFacebookに載せた。「Now I Lay Me Down To Sleep(「今、私はこの身を横たえ眠りにつく」という意の、子供の喪失に苦しむ親に写真をサービスする団体)の写真家ミシェル・ウガイデさんは、その日の午後に病院に駆けつけ、また写真を撮った。

モーガンさんは、自分が感じている無力感、空虚感を伝えた。エレノアの死後も、彼女の身体には母体としての生理反応が見られ、苦しみと喪失感から逃れられなかったという。鬱血した胸、産後出血(悪露)、会陰切開の傷、たるんだお腹……。モーガンさんは幼い男の子の母親だが、娘を育てられなかったことを嘆き続けている。

モーガンさんの究極の願いはシンプルでありながら力強い。「赤ちゃんを前にして、暗い気持ちになったとき、それこそ毎晩1、2時間の睡眠しかとってなくて、どうしたらいいのか途方に暮れていて、もう限界だと感じたとき、子供が早く寝てくれることを祈り、ストレスと疲労に呑み込まれてしまわないで……。難しいかもしれないけど、ほんの少しだけ前に進む力を見つけ出して。そして、子供のために感謝の祈りを捧げてください」と彼女は書いた。

「そして、ついでに、小さな命をあまりにも早く奪われてしまった私や、その他死産経験者の母親たちのためにも祈ってください」と、彼女は続けた。

「私の子宮の外での生活を知ることのなかった、愛しいエレノアのために祈ってください。どうかお願いです、エレノアのために……。彼女を愛し、彼女がいなくて寂しくて仕方のないママのためにそうしてください」

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