今週出たNielsenの調査報告書によると、合衆国のスマートフォンにインストールされているアプリのトップ(ユニークユーザ数)は、今年もFacebookで、今年急成長したのはメッセージングアプリだった。公開的なソーシャルネットワーキングからプライベートなコミュニケーションへの移行を見抜いていたFacebookは、2014年の春に本体のアプリからチャットをなくして、ユーザをFacebook Messengerのインストールへと誘導した。その後の数か月、MessengerアプリはApp Storeでトップの座を独占し、2015年にも、前年比31%という、成長率ダントツのアプリだった。
2014年と2013年を比べると、Facebookが強力にプッシュする前とした後だから、前年比成長率は242%とめちゃくちゃ高い。今年Facebookは本体上の写真投稿をやめて、プライベートな写真共有アプリMomentsをプッシュしているが、それがMessengerと同じような成功を見るのかは、まだ分からない。
急成長アプリといえば、Apple Musicが前年比26%の上昇を見せた。ただしAppleの音楽ストリーミングサービスのローンチは今年の6月だから、Facebook Messengerと同列に論じることはできない。
アプリのユニークユーザ数のトップFacebookは、下図のように、1か月平均が1億2600万を超えている。前年比8%の伸びだが、前年もやはりトップだった。次位のYouTubeは1億に近く、前年比伸び率は5%だった。
なお、Facebook自身の先月の発表では、全世界のモバイル月間ユーザが13億9000万、前年比伸び率23%、モバイルだけでなく全ユーザなら2015Q3の合衆国+カナダで月間アクティブユーザが2億1700万だ。
そのほかの上位アプリは、Google検索9500万、Google Play 8970万、Google Maps 7510万、Instagram 5540万、Apple Maps 4440万となる。Instagramは伸び率も23%と大きく、Apple Musicに迫る。
一方、モバイルのオペレーティングシステムの合衆国マーケットシェアは、Androidが52.6%で一位、次位はiOSの42.7%だ。Windows Phoneは3%弱、BlackBerryは0.7%とまだ頑張っている(下図)。
モバイル(携帯電話)のスマートフォン率は、年初78%から9月には80%となった。
ここで繰り返すと、これらのデータはすべて合衆国オンリーであり、そしてNielsenの調査は3万名あまりのユーザを対象とするサンプル調査からの推計だ。その一部が、計測ソフトウェアを自分のデバイスにインストールしている。なお、サンプリングに際しては性別や年齢層などの特性の比率を、母集団のそれに合わせるようにしている。
合衆国に見られる、プライベートメッセージングとビデオストリーミングの優勢は、そのまま世界的な傾向でもあるだろう。たとえばApp Annieのデータによると、先月のダウンロード数では WhatsApp(1位), Facebook Messenger (3位), Snapchat(8位)であり、次いでビデオストリーミングアプリが上位に割り込んでいる。モバイルのデータサービスは、来年も値下げや無料サービスがあると思われるので、この傾向は続くだろう。FCCがそのサービスを禁じないかぎり。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。
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(2015年12月19日 TechCrunch日本版「モバイルのトップアプリは相変わらずFacebook、今年はMessengerが急成長: Nielsenの合衆国調査より」より転載)