携帯電話税を自民議連が検討 自動車税の代わりか

自民党の有志議員が、携帯電話1台につき数百円の課税導入を検討する議員連盟「携帯電話問題懇話会」の設立総会を開いた。財政再建などの観点から、秋の臨時国会が開かれるころまでに提言を取りまとめる方針だという。

自民党の有志議員は6月18日、携帯電話1台につき数百円の課税導入を検討する議員連盟「携帯電話問題懇話会」の設立総会を党本部で開いた。財政再建などの観点から、秋の臨時国会が開かれるころまでに提言を取りまとめる方針だという。テレ朝newsなどが報じた。

ソーシャルネットワークサービスを使った事件や犯罪などが相次いでいることから、「安全対策強化に向けた予算の確保」などを目的に、携帯電話に数百円程度の課税を導入する仕組みを検討しているということです。また、会合では、「公共の道路を使っている自動車も税金を払っているわけだから、公共の電波を使っている携帯電話も税金を払うべき」との意見も出ました。

 

(テレ朝news「携帯電話に課税を検討 1台につき数百円程度」より 2014/06/18 18:07)

自から名乗りを上げて議連会長に就任した中山泰秀衆院議員は、携帯電話税導入の検討を開始した経緯として、自動車への課税を下げるためという理由をあげている。2013年末に自民党内では、自動車取得税を下げる代わりに、軽自動車税を上げる検討が行われていた。中山氏は自動車業界のみに課税するのではなく、他の業界で課税するなど、広く財源を見つけるべきだと発言したという。

「例えば自動車産業って今後どんどん先細っていくでしょ。それに自動車って持っているだけで税がかかる。それは自動車だけ。おまけに走るのにも軽油税とかガソリン税に道路の税金も払わないといけない。タックスオンタックスの象徴なんです。業界が先細りになっているのにもかかわらず、そこに税をかけ続けたらもっと車離れが起こってしまって、日本の産業が牽引力を無くしてしまいますよ。

 

携帯電話というのは電波利用料というものを払っています。だけど電波って資源なんで有限なんです。資源を利活用しているという共有の思いを、携帯を買って持っている我々が携帯1台につき、例えば毎月100円でもいいし1000円でもいい。携帯に税金を課しましょうということなんです。携帯税には犯罪抑止効果もあるわけです。携帯を使った犯罪ってたくさんあります。これを補足することができるようになります」

 

(OKINAWA HEADLINE「すごかった安倍首相のスピード感 中山泰秀衆議院議員インタビュー」より 2013/12/30)

中山議員は、若者が車の免許を取らないことを挙げ、自動車への課税は先細りすると指摘。高齢化による人口減少が進むなか、税を幅広く薄く徴収できるのは携帯電話だと話している。

携帯課税については中山氏だけでなく、民主党時代から検討が行われていた。菅直人内閣で経済財政担当相を務めた与謝野馨氏も、復興財源の一つとして提案を行っている。

実は“ケータイ増税”は以前から狙われている。東日本大震災後の復興財源の一つとして、「(1台あたり)1日5円から10円程度もらえば数千億円の規模になる」と、与謝野馨経済財政担当相(当時)がぶち上げたことがあった。具体化しなかったものの、携帯電話の通信会社などが払っている電波利用料の引き上げなどが取り沙汰された。

 

携帯電話の累計加入件数は1億3000件を超え、国民1人1台の時代。広く、薄く税金をかければ、お金持ちでなくても、負担には耐えられるとの考え方だ。しかも多少、増税で価格が上がっても、なかなか手放せない存在になったのが携帯電話。通信業界は、景気に大きく左右されにくい業種に育っていて、課税しやすいとの思惑も働く。

 

(MSN産経ニュース『【経済裏読み】次は「携帯電話課税」か…消費税10%だけでない、財務省がもくろむ新たな「増税ネタ」』より 2013/12/23 18:00)

■中山氏の自動車好きを指摘する声も

中山氏の携帯課税案を、自動車産業界からの圧力と見る向きもある。中山氏は、2005年に国会議員に当選する前から大の車好きとして有名で、自民党のモータースポーツ振興議員連盟にも所属している。

中山泰秀外務政務官(自民)は車11台を所有。うちポルシェが3台、メルセデス3台、ダッジ1台と大半が外車。「カーレースが趣味で、電通に勤めていた20代のころから持っていた。愛読書は(中古車情報誌の)『カーセンサー』と『Goo』です」。残りの国産車は地元事務所が政治活動に使っているという。

 

(毎日jp「閣僚資産公開:外車など11台…多数のTV株…」より 2007/10/27 03:00)

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